魔法が使えず無能と呼ばれていた少女の能力【スキル】は実は最強でした

輝月レイヤ

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第一章・第9話

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**「銀髪の守護者」**

外壁付近の森。

激しい戦いの最中、土煙の中から現れた少女――**ナティエ・メラク**。

リナは驚いた顔で彼女を見つめていた。

「ナティエさん……!」

だが、すぐに疑問が浮かぶ。

リナは言った。

「どうして……」

「どうして私の名前を知ってるの?」

ナティエは一瞬だけリナを見た。

その目はどこか優しかった。

「……」

少しだけ笑う。

そして答えた。

「私を助けてくれた人に頼まれたから」

リナは首を傾げる。

「助けた人……?」

だがナティエはそれ以上何も言わなかった。

くるりと振り向く。

迫ってくる魔物の群れを見る。

「話は後」

「まずは片付ける」

ナティエは地面に手を触れた。

「地脈解放」

ゴゴゴゴゴ……

大地が震える。

岩の槍が一斉に突き上がった。

ドォォォォン!!

魔物の群れが吹き飛ぶ。

レディンが笑う。

「さすが地属性のメラク家!」

アリュールも炎を構える。

「来たなら働きなさいよ」

アルカイドは静かに頷く。

「四属性が揃いました」

リナはその光景を見ていた。

火。
風。
水。
土。

四つの魔法。

七星貴族の力。

そして――

戦いは激しさを増していく。

「炎弾!」

「水刃!」

「風斬!」

「岩槍!」

ドォォォォン!!

四人の連携で魔物の群れは次々と倒れていった。

やがて。

最後の魔物が倒れた。

静寂が戻る。

リナが安心したように言う。

「終わった……?」

その瞬間。

ズン……

地面が揺れた。

全員が振り向く。

森の奥。

巨大な影が動いていた。

ズシン。

ズシン。

現れたのは――

今までとは明らかに違う魔物だった。

高さ五メートル。

黒い外殻。

赤い目。

「……嘘」

アルカイドが呟く。

「上位種どころじゃない……」

レディンが歯を食いしばる。

「ボスかよ……!」

魔物が咆哮した。

「グオォォォォ!!」

衝撃波が森を揺らす。

アリュールが叫ぶ。

「全員、最大火力よ!」

四人は頷いた。

アルカイドが言う。

「四大元素を集中させます」

レディンも魔力を集める。

「一発勝負だな」

ナティエが地面に手を当てる。

「合わせて」

アリュールが炎を掲げる。

「いくわよ!」

四つの魔力が集まる。

火。

風。

水。

土。

四大元素が渦を巻く。

そして――

「放て!!」

ドォォォォォォン!!!

巨大な魔法が魔物へ直撃する。

森が揺れた。

爆煙が広がる。

全員が息を飲む。

煙が晴れる。

そこには――

まだ立っている魔物の姿があった。

「そんな……」

アリュールの声が震える。

魔物は傷を負っていた。

だが。

まだ倒れていない。

そして四人は――

「……っ」

膝をついた。

魔力の使いすぎだった。

アルカイドが倒れる。

レディンも地面に座り込む。

アリュールも杖を落とす。

ナティエも限界だった。

四人が戦闘不能。

残ったのは――

リナ一人。

巨大な魔物がゆっくり近づく。

ズシン。

ズシン。

リナは杖を握る。

だが。

恐怖で足が震えていた。

「……どうしよう」

その時。

空気が変わった。

ヒュン……

何かが空から落ちてきた。

ドォォン!!

地面に突き刺さる巨大な武器。

それは――

鎌。
斧。
槍。

三つが一体化した**巨大な大鎌**だった。

リナが顔を上げる。

そこに――

一人の青年が立っていた。

銀色の髪。

碧い瞳。

長いコート。

そして。

軽く笑う。

「……大丈夫かい?」

優しい声だった。

彼は大鎌を引き抜く。

「後は俺に任せて」

そしてリナに言う。

「君は**私の部下**と一緒に撤退して」

その言葉と同時に。

森の影から数人の兵士が現れる。

リナは驚いていた。

「あなたは……?」

銀髪の青年は振り向く。

そして。

魔物を見据えた。

「自己紹介は後だ」

大鎌を肩に担ぐ。

「まずは――」

「この化け物を片付けよう」

彼の正体。

それはまだ――

誰も知らない。

だが。

この出会いが。

リナの未来を大きく変えることになるのだった。
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