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心も身体も真の意味で繋がった #R18
しおりを挟む身体中に熱く籠こもっている性の不如意が一度に吸い散らされた感じがした。代って舌鼓を打ちたいほどの甘い哀愁が胸を充たした。
はぁ、はぁと、熱くて湿った吐息を吐き出しながら胸が上下する。全身に力を入れたことによる汗がこめかみを伝い、枕に染みを作った。
「大丈夫か、ミト」
「ぅ、うん…すっごい、快感だった…」
「絶頂するミトは凄く淫らで…妖艶だった。もっと触れたい。もっと気持ち良くさせたい」
「…少し、休憩を」
「分かっている。ゆっくり進めよう」
呼吸を整えようとする俺を優しく抱き締め、こめかみにキスが落とされる。アルウィンの手が俺の身体の上を滑るようにくまなく撫で、些細な刺激のはずなのに敏感になっているからか、喉から濡れた声が出てしまう。
それでも彼の掌から伝わる温かで優しい体温からは愛を感じて、心臓を愛撫されているように気持ち良かった。
啄むような短いキスを何度と唇に落とされ、思わず笑みが溢れる。アルウィンも頬の傷跡の形を変え、白い歯を見せてくしゃりと笑ってくれた。
額に、頬に、鼻先に、顎に、顔の皮膚すべてにキスをする勢いでキスの雨が降ってくる。心臓の動きはずっと早くて鼓動が胸を叩いているのに、泣きたくなるほど幸せで思考は凪いでいた。
「ミト…可愛い。好きだ。ミトのすべてに触れたい。俺の知らないミトの熱がないように」
「ふふっ、アルウィンって結構欲張りだったんだね」
「欲張りな俺は嫌か?」
「ううん、大好き。……来て、アルウィン」
2人きりの空間なのに内緒話をしているような囁き声で、俺はアルウィンを誘う。戯れのようなキスがスイッチを入れたように大人の深いキスへと切り替わった瞬間だった。
キスをしながら、アルウィンの長い指が誰にも触られたことのない場所へと伸びる。ひくひくと動いているそこはまだ狭くて、彼の指の腹がシワを伸ばすように何度も撫でる。
ふと、浄化魔法を使われた気配がしたと同時に、彼の指先はローションのように濡れていて俺の穴の周りに塗りつけた。
「あっ、はぁ、いっ…」
「痛いか?息を吐いて、力を抜くんだ。大丈夫、ゆっくりするから。絶対に傷付けたりしない」
ゆっくりと人差し指が入ってきた感覚があり、安心させるような優しい声に頷くことが精一杯だった。俺はなるべく身体の力を抜くことを意識して、深く長い呼吸をする。ゆっくりと奥を目指す指の圧迫感と初めての感覚に不安を覚え、アルウィンの首に腕を回してすがり付いた。
ふと、結構奥深くまで入り込んだアルウィンの指がとある箇所に触れた瞬間、感じたことのない、絶頂とは違う強い快感が電流のように全身を駆け巡る。俺は我慢が出来ず、首を振って快感を逃がそうとした。
「…あッ、あぁ!そこ、だめ!」
「見つけた。ここがミトのイイところか」
「やぁ!だ、だめ…ッ」
「気持ちいい、の間違いだろう?」
耳に直接アルウィンの唇が触れ、甘くてセクシーな声を注ぎ込まれると余計に快感は増した。下の穴からも耳の穴からも与えられる快楽を受け止めきれず、腰が跳ねて暴れてしまう。
しかしアルウィンの指は止まらず、俺の反応を窺いながらも執拗に敏感な箇所を攻められ、俺はベッドを何度も揺らした。
「はぁ…ァ、だめだってばぁ…!んああ!」
「かわいい、ミト…凄く魅惑的だ。もっと俺の指で感じてくれ」
「ふぁあ…!ひゃぁ、ぁん」
アルウィンの声が興奮しているのを感じて、俺もさらに興奮を煽られる。指がいつの間にか増やされ圧迫感がすごいはずなのに、ジンジンと鈍くも甘い刺激に腰が震え、射精とは違う何かがせり上がってきた。
「あっ、あっ、だめ!だめぇ…!来る、何かが来ちゃうぅ…!」
「初めてなのに後ろでイけそうか?いいぞ、我慢せずに思いっきりイくところを見せてくれ」
「ひゃ、あ、あ、あ…あぁぁああ~~…!!」
得たいの知れない快感に頭が真っ白になる。聞いたことのない自分の声に驚く余裕もなく、腰が痙攣したように何度も小刻みに震えるのを抑えることも出来なかった。
射精はしていないのに、ずっと絶頂の快感がやまない。引くことのない波が永遠と押し寄せてきているような感覚。初めて感じる射精とは違う絶頂感に、しばらく溺れるように浸っていた。
「んぁ、はぁ…はぁ、んっ…なに、これ…」
「射精せずにイったんだ。こんなに敏感だとは…まさか初めてじゃないとは言わないだろうな?誰かに仕込まれたわけではないよな?」
「そんなわけないでしょ…!何もかもアルウィンが初めてなんだから…」
「…よかった。もし誰かに開発されていたらどうにかなるところだった。初めてで後ろでイける男は少ないと聞く。ミトは後ろの才能があるんだな」
「えぇ?アルウィンが上手いだけじゃないの…?アルウィンこそ初めてじゃないでしょ?」
「初めてに決まっている。ミトを好きだと自覚してから男同士のやり方を本などで夜な夜な調べたんだ。上手く出来たようで何よりだ」
「…ふふっ、品行方正なアルウィンがエッチなことを調べてたなんて…ちょっと可愛い」
「か、からかうな。俺もただの男なんだ。好きな人と触れあいたいと思うのは当然だろう。ミトにしか抱いたことのない思いだから俺にもこんなに強い欲望があるとは最近まで知らなかったがな」
「俺がアルウィンの中に眠っていた欲望を目覚めさせたんだ…嬉しい」
「ミトは俺に初めてをたくさん与えているんだぞ。だから俺も…ミトにもっと快感を与えたい。俺のこれで……」
そう言って俺の手をアルウィンの熱く昂ったペニスへと導く。俺のものとは大きさも色も固さも比べ物にならないほど猛々しく、これが本当に俺の中に入るのかと不安になった。
「すごく熱くて大きい……俺の中に入るかな?」
「怖いか?」
「…ちょっとだけ。でも俺もアルウィンとずっと1つになりたかったから…」
「ゆっくりするし、痛かったら止めるから言ってくれ。逆に気持ち良かったときも言ってくれ」
「うん…分かった」
ちゅ、ちゅと何度か唇にキスを落としたあと、アルウィンは上半身を起こし、俺の足を持ち上げてその間に彼の腰がおさまる。バキバキと筋をはるほど大きく熱いペニスの亀頭が、俺の穴の周りをくるくると円を描くように擦りつけられる。
そんな些細な刺激にすら腰が揺れ、アルウィンの手ががっしりと俺の腰を固定するように掴んだ。いよいよ好きな人と繋がれるという期待と興奮で心臓が激しく鼓動する。胸を突き破って天井にぶつかるのではないかと思うほど、うるさい心臓だった。
「…入るぞ」
「うん……あっ!んあ、い、うぁあ…!」
「は、すごい…キツいな…ミト、なるべく力を抜くんだ。息を吸って吐け」
「む、りぃ…!ぅあっ!ひゃあぁ…ッ」
腹の中に押し寄せるひどい圧迫感に呼吸がうまく出来ない。まだ先っぽしか入っていないだろうに、この苦しさなのだから全部を埋めることなんて到底出来やしないと思えてくる。それでもアルウィンと繋がりたい一心で、俺は必死に呼吸をしようと息を吸った。
苦しそうな俺を見かねたアルウィンが上半身を倒し、俺の唇に吸い付いてくる。彼の口から息を吹き込まれるようにしてキスをされ、指は乳首をいじられていた。
うまく呼吸が出来るようになってきたと同時に乳首を弄られていることによる快感が少し圧迫感を軽減してくれる。その隙にずず、と奥にアルウィンが進んできたことで、中を擦られたことによる快感が背筋を痺れさせた。
「うあ!あ、あ、あぁ…!」
「ミト…はぁ…大丈夫か…?痛いか?」
「は、ぁ、苦しい、けど…きもち、いぃ…んあ!」
「よかった…もう少しで全部だからな」
言葉と共に荒い息を吐き出したアルウィンは、そのまま俺の首筋や乳首を舐めたり吸ったりしながら徐々に腰を前へと進める。奥まで到達した感覚があり、アルウィンの腹に俺の勃起したペニスがぴったりとくっついた。
「はい、った…?」
「あぁ、全部入ったぞ。ありがとう、受け入れてくれて…」
「嬉しい…アルウィン、俺…すっごく嬉しい…」
「俺もだ。今、ミトと奥深くまで繋がっている。ずっとずっと我慢していたんだ。早くミトを俺の全身で抱きたかった。それが叶って…心から嬉しく思う」
「アルウィン…」
シルバーの瞳が潤んでいるのを見上げながら、俺は嬉しさで胸がいっぱいだった。アルウィンのワインレッドの髪に腕を伸ばし、引き寄せる。舌を伸ばして彼の唇を迎え入れ、俺たちは挿入したまましばらくはキスをしていた。舌と舌がセックスをしているように、淫靡で優しいキスをした。
「ん、はぁ…」
「すまない、ミト、そろそろ限界だ。動いてもいいか?」
「うん、俺も我慢してた。動いて…?」
彼の頬を両手で挟みながら見上げて言うと、アルウィンは一度大きく熱い息を吐いたあと、枷が外れたように腰を動かし始めた。
「ひゃあ!んんんっ…あ!やあぁッ」
「ハッ、…くそ、すまない、ミト…!ゆっくり、出来ないかもしれない…!」
「んあ、あっ、いい、よ…!きもちぃから、好きに、して…っ」
「ミト…ッ」
ぐしゅ、じゅぼ、パンパンッ、俺の矯声。いろんな音が入り乱れる室内の中で、俺たちはお互いにお互いの体温の中に落ちていく一方だった。
奥を突かれるたびに、中を捲られるたびに、味わったことのない強烈な快感が体内にこもっていく。それを絶叫ともいえる矯声を出すことで外に逃がそうと必死だった。
俺の中を自由に泳ぐアルウィンは、ボタボタと俺の顔に液体を垂らす。それは汗だったのかもしれないし、涙だったのかもしれない。どちらでもいいと思いながら、俺も叶わないと思っていた恋に抱かれたことに感極まり、枕を濡らしていた。
潤んだぼやけた視界で愛しい彼を見上げる。眉間に皺を寄せ、興奮した獣のような表情で必死に俺の上で腰を振る彼は、世界一セクシーだと思った。
鍛え抜かれた美しく大きな筋肉が汗粒で光り輝き、肌の上を雫が滴る。その雫一粒すら俺のものだと思うと、快感は助長された。
「ふぁあ、うぐ、ぁ、もう…だめッ、イっちゃう、イっちゃうよぉ…!」
「俺も、だ…ッ、はぁ、ミト…一緒に、一緒にイこう…!」
「ぅんっ…あ、あ、あぁぁあああ…ッ!!!」
「ぐっ…!~~ッ!」
視界が真っ白になる。背がそり、腰が痙攣する。びちゃ、と熱い俺の精子が腹を汚す。びくびくと、俺の中でアルウィンが動くのを感じる。中に熱いものが注がれているのを感じる。ひたすら気持ちいい波に揺られながら、余韻に浸っていた。
「ミト…愛している」
「…俺も、アルウィンを愛してる」
身体だけでなく、心も快感で満たされていた。彼と交わすもう何度目かも分からないキスは、湿っていてしょっぱくて、甘かった。
何度も唇を啄んだあと、俺たちは際限がないことに額をあわせて笑いあった。これから何度もこんな甘くて熱くて幸せな時間を過ごせるのだ。
まだまだ俺たちには、解き明かさなければならない謎がある。捕まえなければいけない敵がいる。いつ死んでもおかしくない立場にいる。
それでも俺たち2人なら、どんなことでも乗り越えられる。強い絆が、愛の力が、俺たちにはあるのだから。
この時の俺は、心からそう思っていた。これが、悪夢の始まりだとは、思いもせずに。
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