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ヤンデレな死霊術師は俺は死なせてくれない

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「おはよう。今宵もちゃんと起きられたかい?」


目を細めながらニッコリとした顔でそう言う彼女を見て、俺はまた絶望する。


「チッ、クッソ……俺はまた死ねなかったのか……」

「当たり前だろ?誰が愛しいキミの事を死なせるもんか。……さっ、起きたなら早速私の実験の手伝いをしておくれ。色々溜まっているんだ」

「……ふざけんなッ!実験の手伝いって言っても、また死体漁りだろッ!」

「おぉ、よく分かっているじゃないか!流石、私の愛しいフィアンセだ」

「誰がお前のフィアンセだよ!気持ち悪いこと言うな!」


嫌悪を表すかのように、俺は机を力強くドンッと叩く。
だがその瞬間、右手がボロボロと崩れてしまった。


「あ~ぁ、だから前にも言ったじゃないか、アンデットの体は脆いと。もうちょっと自分の体を大事にしてくれよ」


そう言いながら、魔法で俺の右手を元に戻す彼女。
その様子にさえ、俺は嫌気が差してくる。


「……はぁ、何でこんな事になっちまったんだか……」

「何でって……そりゃキミがこんな場所まで迷い込み、そして私の心を一目惚れで奪ってしまったからだろう?全くもって仕方がない事だ」

「その代わりに俺は自由を奪われたけどな!」

「おっ、上手い事を言うじゃないか」


俺の一言が心底気に入ったのか、ケラケラと口に手を当てて笑う彼女。


「笑うなッ!!!」


俺は怒気を孕んだ声で一蹴する。


「まぁまぁ、そんなに怒るなよ。」

「………………チッ」

「はぁ、じゃあそろそろこのお遊びも終わりにして、実験の方へ入って行こうかね」



そう言いながら、彼女は奥の研究所の方へと向かう。


俺はその後ろ姿を見ながら、手に隠し持っていたナイフを………



「あれっ、キミも来ないのかい?色々手伝ってもらいたいことが……ってキミも懲りないやつだね」

「ハッ、うるせえよ。お前の役に立つぐらいならまた死んでやるさ」



また胸元へと突き刺す。



地獄のような痛みと血が止め処なく噴き出しているような感じを一瞬で味わう。






そして…………暗転。
















********








あ~ぁ、また死んじゃったか。
でも、別に死んだからって変わるわけじゃないのだけど。


と言うか、私死霊術師ネクロマンサーだからまたアンデットとして生き返らせちゃうけどね。



そんな事を思いながら、私は彼だったものに魔法の詠唱を始める。



それにしても、どうしてあんなに私の事を嫌がるんだ?
別に嫌なことをしているつもりは無いんだが。
ただ、そこら辺の墓場から死体を持ってきてって頼んでるだけなのだがな。



……よっし、これで復活ッと。



少し待つと、目に光が戻ってくる。



そしてもう少し待つと、むくりと彼は起き上がる。



そんな彼を見て、一言。






「おはよう。今宵もちゃんと起きられたかい?」
















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