あの人と。

Haru.

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After Story

閑話 if 幸仁が本当のショタになったら 完

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「そうだ、ユキにプレゼント持ってきたんだ」

「ぷれぜんと?」

「ああ! ほら、開けてごらん」

 アルがお付きの騎士さんから受け取ったのは結構大きな包装された箱だった。何が入ってるんだろう……

 小さくなった手で慎重に包装を剥がし、箱を開けると入っていたのは……

「ぴあの!」

 何と入っていたのは木目が可愛いトイピアノでした! トイピアノにしては大きく感じるそれは今の僕では箱から出さなくて、ダグに箱から出すのを手伝ってもらってラグに置いたらまず一音。コロンと可愛い音が鳴って思わずウキウキしちゃいます!

「今のユキじゃ普通のピアノは弾けないだろう? これなら弾けるかと思ってな」

「あるありがと! ひいてもいーい?」

「ああ、いいぞ」

「あらぁ、ゆきちゃん良かったわねぇ。王妃様、ありがとうございます」

「いえいえ、喜んでもらえて俺も嬉しいので」

 まず指の運動に低い音から高い音へダダダッと指を動かしてまたダダダッと戻ってきて……よし! 問題なく動きます! やっぱ弾くならトルコ行進曲かな! この音で弾いたら絶対可愛いよね!

「……おもちゃらしくない音色だな」

「……おもちゃでこんな演奏聞けることあるか?」

「流石ゆきちゃんねぇ」

「ああ、流石だな」

 兄さんたちは困惑、母さんと父さんは納得って感じの雰囲気出してるのを感じます。それにしてもトイピアノって楽しいね! 音は普通のピアノとは違うけど、コロンコロンって音が可愛いし、ちゃんと音階もあって、曲を弾いたらちゃんと聴こえるのが楽しい!

 1曲弾き終わったらいつもより指に疲労感が。うーん、指は問題なく動くけど、スタミナ的な方は衰えてるね。

「疲れたか?」

「ちょっとゆびつかれちゃった。いつもならなんともないのに……」

 もっと弾きたいのに指は疲れててちょっとしょんぼり。ちょっと不貞腐れてダグにぐりぐり擦り付きます。

「少し休んだらゆっくりの曲を弾いてみたらどうだ?」

「……ぼく、はやいののがすき」

「そうなのか。俺はユキが弾く曲ならどんな曲だって好きだぞ。それに、ユキならこのピアノの音に合う曲だって考えられそうだな」

 ……それ楽しそう。このピアノは可愛い音だから、曲も可愛くて楽しくなるようなのがいいよね。おもちゃが楽器を鳴らしながら行進してるイメージ? それともかわいい動物がサーカスしてるイメージかな? どうしよう、すっごく楽しい!

「……流石ダグラスだな。俺、一瞬余計なもの持って来ちゃったかと思ったよ」

「ユキ自身、この姿でもピアノが弾けて嬉しいでしょうしお気になさらず。この調子なら元の姿に戻っても楽しむでしょう」

「そりゃよかった。ま、使わなくなったとしても、見た目的に置物としても悪くないだろ」

 ちゃんと使いますよ! オルゴールをイメージしてしっとりした曲も良さそうって思い始めたから、元の姿に戻ってからも色々試すつもりです!

「それにしてもトイピアノって可愛いわねぇ。ゆきちゃんがピアノに興味を持ち出した頃には蒼ちゃんと翠ちゃんが使ってたピアノがあったからトイピアノは買わなかったのだけど。こうして見てたら気軽に遊べるものとして買っていたらよかったかもしれないわねぇ」

「そうだなぁ。蒼や翠が膝に抱えて弾かせてるのが当たり前になってたが、可愛いな」

「まぁゆきちゃんはトイピアノがなくとも可愛いけれどね!」

「美加子によく似ているからなぁ。美加子も可愛いぞ」

「もうもうもう、雅仁さんったら」

 なんか父さんと母さんがいちゃついてる気配と兄さんたちがげんなりしてる気配を感じるけど気にせず曲作りです! ある程度纏まってきたところでリディアが紙と今の僕でも持ちやすいペンを渡してくれて、どんどん書いて曲にしていきます。

「ユキ、楽しいか?」

「ん! ねぇねぇ、……こっちと、……こっち、どっちがすき?」

「ふむ、俺は最初の方が好きだな」

「じゃあそっちにする!」


 時折りダグの意見を聞きつつ作り続け、ある程度の流れが出来たところで今日はおしまい! なんだか目がシパシパしてきたからね。

「んむぅ……」

「こら、目を擦るな。見せてみろ。……ん、ゴミは入ってないな」

「うー……」

 なかなかシパシパ感が取れないのが嫌で、ちょっと拗ねてダグにグリグリ。

「あらあら、おねむかしらね。ゆきちゃん、こっちへおいで」

「ん……」

「やっぱりおててが温かいわよ。ゆきちゃん眠いんでしょう?」

「ねむくないもん……」

 なんて言いつつも、母さんに抱きしめられてトントンと背中を優しく叩かれるとなんだか瞼が…………

「……ミカコさんよく分かりましたね」

「ふふ、自分の息子のことだもの。まぁ全部が全部わかるわけじゃないけれど。こういうのは慣れかしらねぇ」









 ハッと目が覚めると父さん達は既に帰っていた。子供の身体に精神が引っ張られてる僕は寂しくてちょっと泣きかけたけど、ダグにとんとんされながまた来るって言ってたって聞かされて落ち着いた。

「ユキ様、落ち着かれたならお食事にしましょう」

「あい」

 ダグとテーブルに移動すると目の前にお皿が置かれた。途端に泣いたことによる気怠さはどこかへ飛んで行きました。

「わぁ……! くまさん!」

 そう、オムライスはクマがふんわり卵の布団で眠っているようになっていたのですよ! 可愛くて思わず前のめりになると、ダグに落ちないようにとガッシリ捕まえられて引き戻されました。それでも幼児な僕のテンションは下がりませんよ!

「だぐ、くまさん! くまさんだよ!」

「そうだな。よかったな」

「ふふ、料理長に頼んでおいたのですが正解でしたね。ユキ様、ソースはデミグラスソースとトマトソース、どちらになさいますか?」

「とまとにする!」

「かしこまりました」

 リディアがちょうどいい量のソースをかけてくれて、もう僕は涎が止まりません! え? 可哀想じゃないのか? 確かに可愛いから躊躇しなくはないけどそれよりやっぱお腹すいたかなって。でもかわいい顔は最後に食べますよ! まぁ正確には食べさせてもらうんですけども。

「くまさんのかおはさいごだよ。からだからたべさせてね」

「わかったわかった」

 ダグは躊躇なくクマの足元にスプーンを入れてひとすくい。足が削られちゃったクマを見てちょっとしょんぼりしつつ口を開けてスプーンを待ちます。……うん、美味し。クマさん、布団の卵がトロットロで最高に美味しいです。

「美味いか?」

「ん! ……んく、くまさんいたがってない?」

「ん"っ! ……寝たままだからきっと気づいてないさ」

「そっかぁ。あー」

「ん」

 なんだかダグとリディアがプルプル震えてるけど気にせず食べます。クマさんは僕が責任持って食べなきゃね。



 ご飯を食べたらすこーしだけ休んで寝ちゃわないうちにお風呂へ。ダグにひょいっと抱えられていつもよりたっぷりの泡で優しく全身を洗われました。ダグ自身はザカザカとかなり雑に洗ってて僕はポカン。そんなに急いでどうしたのかと思えばどうやら幼児になった僕が風邪ひかないようにと急いだらしい。なんだか申し訳ないような? ダグが洗い終わったらダグに抱えられたまま浴槽へ。リディアが温度を調節してくれたから今の僕でも熱くないよ。

「ふぁー。きもちいねぇ」

「だな」

「……だぐの、きょうげんきないね」

 今僕はダグにしっかりと抱えられてます。今の僕は1人で浴槽に浸かろうとしたら確実に溺れるくらいに小さいからね。ダグは僕を溺れさせまいとしてるのか、しっかり抱きしめられてるから裸でピッタリ密着してるわけで。いつもなら裸でこんなに密着してたらダグのダグはとっくに元気になってるレベルだけど今日は大人しいです。いや元気になられても困ってたけども。

「その姿でそう言うことは言わないでくれと……!」

「ごめんね」

 お義父さんお義母さん、ダグが幼児趣味じゃないって証明されました! 流石にこれはダグにはお口チャックしたよ。怒られたくないもの。


 ちなみに僕の幼児化は数日後、ニコニコ笑顔で現れた神様に頭を撫でられると直りました。着飾られたりあれこれ世話を焼かれる僕を見て満足したらしいです。僕も楽しかったからまた神様の気まぐれで幼児化したら思う存分楽しみます!



「今回作ったお洋服はしっかり保管しておきましょう」

「また使うかもしれないからな」

「おや、またやってもいいなら今度は子供用の着物も用意しておこうかな」

「「是非に」」



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