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それから
8.あなたがいい
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薄暗くなった道を、手を繋いで並んで歩く。
「今日はハンバーグ作ってみたんだよ」と、明るく声を掛けてくる宏隆の横顔を横目で見る。
「チーズ乗せる?」
「…うん」
頷きながら、隣を歩く彼の手をぎゅっと握ると、いつもよくするように手の甲を親指でさすりながら握り返してくれる。
向かい側から走ってきた自転車を避けようと、彼の方に少し近付くと尋ねられる。
「何かあったの?」
繋いだ手をくいっと引かれたので素直に移動すると、車道側に彼が立った。どんな顔をしているのかは、よく見えない。
「……告白された」
「……」
一瞬、空気が凍ったような気もしたけれど、すぐに「そうなんだ」と穏やかな相槌が返ってくる。
「若菜はなんで答えたの?」
「そういう風には考えられないし、もう相手もいるってことも言ってたから、そんな人に付き合ってなんて言うべきじゃないって言った」
「…そっか」
「あと、まだ公に言ってはいないけど、結婚もしたって」
抱き締められそうになったことは、思い出したくもない。すると宏隆は「十分誠意をもって伝えてると思うよ」と赤信号で立ち止まる。
「そこまではっきり伝えてるなら問題ないでしょ。それでももし何かしてきたら、俺が出るよ」
「出るって…?」
「…まあ、いろいろ」
信号が青になる。
次の角を左に曲がったら、もう家だ。
なんとなくもやもやする気持ちを持て余しながら、歩いていく。
アパートの階段を登って、もはや当たり前のように並んで部屋の前に立つと、彼が鍵を開けてくれた。部屋の中からは夕飯の匂いがしている。
先に入るように促されて、二人で立つにはちょっぴり狭い玄関で、履いていたパンプスを脱ぐ。すると、背後から覆い被さるようにふわりと抱き締められた。
「……それだけ?」
「え?」
「告白されただけにしてはテンションが低過ぎる」
私の体をくるりと向かい合わせにして、正面から抱き直した宏隆は、そのままの姿勢で頭を撫でてくる。
「若菜はわかりやすいから。絶対それ以外にもあったでしょ」
「…わかりやすい?私」
「俺にとってはね」
「何年近くにいると思ってるの」と笑い、抱き締めたまま、まるであやすように体を右に左にゆらゆらさせる。
この人の腕の中はどうしてこんなに落ち着くのだろう。彼の匂いを体いっぱいに吸い込むように深呼吸する。
「…急に、」
「ん?」
「腕引っ張られて、ぎゅってされそうになったの。ちゃんと振り払えた、けど。ちょっと怖かったなと思って」
私の言葉に、ぴたっと彼の動きが止まる。
「…その、告白してきたって人に?」
「……うん」
体を少し離して、彼の顔をじっと見つめる。吐き出してしまいたい。
「これまでも時々そういう…距離近いなって思うことはあった人で」
「そうなんだ」
「でも今回ので、宏隆以外とは、絶対無理だってはっきりわかった。なんていうか、こう、きゅんとかドキドキとかしなかった。単純に嫌だった」
「え、待って」
「何?」
「俺とは、きゅんとか、ドキドキとかするの?」
「……するよ」
私の搾り出すような声を聞いた彼は「そうなんだ」と嬉しそうに言う。
なんだか墓穴を掘ったような気もするけれど、この際だから全部言ってしまおうと腹を括る。
「さっきも、宏隆に早く会いたかったから急いでた」
話しながら、だんだんと思考がクリアになってくる。
幼馴染みとしても変わらず信頼している。でも、それだけじゃないということに、ちゃんと気付く。
「宏隆じゃないと、私…」
すると、必死な言葉を遮るように、宏隆は再び私を思い切り抱き締める。
しかし、ぐぇと変な声が出てしまった私に気付いたのか、はっとしたように体を離し、今度は力任せではなく、優しく包み込むように背中に腕が回されたから、私も同じように抱き締め返す。
ああ、これだ、と。ようやく安心できたような気持ちになる。
「宏隆のこと、好き。ちゃんと、恋愛的な意味で」
「……」
「…なんか言ってよ」
「…嬉し過ぎて言葉にならない」
何かを確かめるように背中をさすられていると、ほっとして体の力が抜けてくる。
「…よかった、ちゃんと伝えられた」
「別の男に告白されたのがきっかけっていうのはちょっと癪だけどね」
「…それはそうかもしれないけど、でも経験がないことだからわからないもん」
宏隆以外で今まで自分の近くにいた異性といえば、家族か、さほど親しくないクラスメイトや同僚ばかりだった。付き合ったことも告白されたこともなく、比べようがなかったのだから、実感するのが遅くなっても多少は多めに見てほしい。
宏隆は私の頬を指の背ですりすりと撫でる。
「若菜、こっち見て」
「ん?」
「好きだよ」
「…知ってる」
「キスしていい?」
「き…!い、今?」
突然の直球な質問に狼狽える私の頬に、その大きな手が添えられる。緊張してしまって、咄嗟に顎を引くと、額に軽いキスが落とされた。
その後、こめかみ、鼻先、頬…といろいろなところに唇で柔らかく触れられる。
「…嫌じゃない?」
「…嫌なわけ、ない」
小さく頷きながらそう言うと、宏隆はにっこりと微笑んで、私の唇を親指でなぞるから。
「宏隆は…?」
「ん?」
「嫌じゃない?」
すると、あははと楽しそうに笑って「嫌なわけない」と私と同じように答えた彼の顔が再び近付いて、ついに唇同士が触れた。
思っていたより柔らかくて、ちょっと湿っていたそれは、角度を変えて何度か触れてから、離れていった。
「…ねえ、若菜」
「ん?」
「ちなみに今って、どこまで許せる?」
「何が?」
「俺と、恋人らしいことしようってなったら」
「恋人らしいこと…」
「キスの先の話」
それがなんなのかわからないほど子供ではない。経験は…ないけれど。
「…したことないからわかんないよ…」
「…まあ、したことないなら俺もだけど」
「えっ!」
「何その反応」
眉を下げて苦笑しながら、「こんなところじゃなくて部屋で座って話そっか」と宏隆は私の手を引く。
「いや、だって宏隆ってなんでもできると思ってたから」
「なんでもって…恋人らしいことはさすがに好きな人とじゃなきゃできないよ」
「いやまあ…、そうだけど…」
宏隆は話しながらもてきぱきと私の着ていたコートを脱がせて、ハンガーに掛ける。
「逆に、経験してた方がよかった?俺が若菜以外の誰かとセックス」
「……それはなんかすごくやだ」
「俺もやだ。ていうか無理だな。若菜以外に欲情しないし」
直接的なワードが飛び出して、ちょっとどぎまぎしていると、先にソファに座った彼が「おいで」と膝をぽんぽんと叩く。
よく分からないまま近付くと、腰に手が回される。そのまま引き寄せられて彼の膝に跨るように座ってしまう。
「これ恥ずかしい…」
「ずっと我慢してたからこれくらいは許して」
「我慢してたの?」
「そりゃそうでしょ。大好きな人とひとつ屋根の下で暮らしてて、手出さずにいるのって結構大変なんだよ」
私が彼の膝に座ると、少し視点が高くなる。いつもとは反対の視界が新鮮で、梳かすように彼の髪に手を差し入れる。
少し硬めの、さらさらの髪の間から感じる地肌の熱。
こちらを見上げて来る視線を受け止めながら、自然と言葉が口をついて出た。
「でも、なんていうか…」
「…ん?」
「宏隆となら、なんでもできると思う。宏隆、私のことすごくよくわかってるから、安心してる」
「若菜…」
「結婚するのもそうだけど、恋人らしいことするのも、宏隆がいいよ」
ちょっぴり順番は違うけれど。彼じゃなきゃだめなのだ。
私のことを誰よりも理解してくれていて、大切に思ってくれる人。
しかしその直後、なぜか彼は一瞬泣きそうな表情を浮かべてから俯き、それから「敵わないなあ」と笑う。
「…若菜って酔ってもいろいろ覚えてるタイプだったっけ?」
「…なんのこと?」
「そんな感じのセリフを前にも言われたから。一応聞いておくけど、今は素面だよね?」
「もちろん」
宏隆は目を細めて私のことを見つめる。
その眼差しがあまりにも甘くて優しくて、なんだかこちらまで恥ずかしくなってしまう。
心にじわっとあたたかいものが込み上げてきて、彼の肩に手を置くと「目、閉じて」と言われる。言われた通りに目を閉じると、唇がそっと触れ合った。
「大好きだよ。若菜のこと」
「…私も宏隆のこと、ちゃんと好きだよ」
私の言葉に嬉しそうに微笑んで、彼は「ご飯食べよっか」と私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
「今日はハンバーグ作ってみたんだよ」と、明るく声を掛けてくる宏隆の横顔を横目で見る。
「チーズ乗せる?」
「…うん」
頷きながら、隣を歩く彼の手をぎゅっと握ると、いつもよくするように手の甲を親指でさすりながら握り返してくれる。
向かい側から走ってきた自転車を避けようと、彼の方に少し近付くと尋ねられる。
「何かあったの?」
繋いだ手をくいっと引かれたので素直に移動すると、車道側に彼が立った。どんな顔をしているのかは、よく見えない。
「……告白された」
「……」
一瞬、空気が凍ったような気もしたけれど、すぐに「そうなんだ」と穏やかな相槌が返ってくる。
「若菜はなんで答えたの?」
「そういう風には考えられないし、もう相手もいるってことも言ってたから、そんな人に付き合ってなんて言うべきじゃないって言った」
「…そっか」
「あと、まだ公に言ってはいないけど、結婚もしたって」
抱き締められそうになったことは、思い出したくもない。すると宏隆は「十分誠意をもって伝えてると思うよ」と赤信号で立ち止まる。
「そこまではっきり伝えてるなら問題ないでしょ。それでももし何かしてきたら、俺が出るよ」
「出るって…?」
「…まあ、いろいろ」
信号が青になる。
次の角を左に曲がったら、もう家だ。
なんとなくもやもやする気持ちを持て余しながら、歩いていく。
アパートの階段を登って、もはや当たり前のように並んで部屋の前に立つと、彼が鍵を開けてくれた。部屋の中からは夕飯の匂いがしている。
先に入るように促されて、二人で立つにはちょっぴり狭い玄関で、履いていたパンプスを脱ぐ。すると、背後から覆い被さるようにふわりと抱き締められた。
「……それだけ?」
「え?」
「告白されただけにしてはテンションが低過ぎる」
私の体をくるりと向かい合わせにして、正面から抱き直した宏隆は、そのままの姿勢で頭を撫でてくる。
「若菜はわかりやすいから。絶対それ以外にもあったでしょ」
「…わかりやすい?私」
「俺にとってはね」
「何年近くにいると思ってるの」と笑い、抱き締めたまま、まるであやすように体を右に左にゆらゆらさせる。
この人の腕の中はどうしてこんなに落ち着くのだろう。彼の匂いを体いっぱいに吸い込むように深呼吸する。
「…急に、」
「ん?」
「腕引っ張られて、ぎゅってされそうになったの。ちゃんと振り払えた、けど。ちょっと怖かったなと思って」
私の言葉に、ぴたっと彼の動きが止まる。
「…その、告白してきたって人に?」
「……うん」
体を少し離して、彼の顔をじっと見つめる。吐き出してしまいたい。
「これまでも時々そういう…距離近いなって思うことはあった人で」
「そうなんだ」
「でも今回ので、宏隆以外とは、絶対無理だってはっきりわかった。なんていうか、こう、きゅんとかドキドキとかしなかった。単純に嫌だった」
「え、待って」
「何?」
「俺とは、きゅんとか、ドキドキとかするの?」
「……するよ」
私の搾り出すような声を聞いた彼は「そうなんだ」と嬉しそうに言う。
なんだか墓穴を掘ったような気もするけれど、この際だから全部言ってしまおうと腹を括る。
「さっきも、宏隆に早く会いたかったから急いでた」
話しながら、だんだんと思考がクリアになってくる。
幼馴染みとしても変わらず信頼している。でも、それだけじゃないということに、ちゃんと気付く。
「宏隆じゃないと、私…」
すると、必死な言葉を遮るように、宏隆は再び私を思い切り抱き締める。
しかし、ぐぇと変な声が出てしまった私に気付いたのか、はっとしたように体を離し、今度は力任せではなく、優しく包み込むように背中に腕が回されたから、私も同じように抱き締め返す。
ああ、これだ、と。ようやく安心できたような気持ちになる。
「宏隆のこと、好き。ちゃんと、恋愛的な意味で」
「……」
「…なんか言ってよ」
「…嬉し過ぎて言葉にならない」
何かを確かめるように背中をさすられていると、ほっとして体の力が抜けてくる。
「…よかった、ちゃんと伝えられた」
「別の男に告白されたのがきっかけっていうのはちょっと癪だけどね」
「…それはそうかもしれないけど、でも経験がないことだからわからないもん」
宏隆以外で今まで自分の近くにいた異性といえば、家族か、さほど親しくないクラスメイトや同僚ばかりだった。付き合ったことも告白されたこともなく、比べようがなかったのだから、実感するのが遅くなっても多少は多めに見てほしい。
宏隆は私の頬を指の背ですりすりと撫でる。
「若菜、こっち見て」
「ん?」
「好きだよ」
「…知ってる」
「キスしていい?」
「き…!い、今?」
突然の直球な質問に狼狽える私の頬に、その大きな手が添えられる。緊張してしまって、咄嗟に顎を引くと、額に軽いキスが落とされた。
その後、こめかみ、鼻先、頬…といろいろなところに唇で柔らかく触れられる。
「…嫌じゃない?」
「…嫌なわけ、ない」
小さく頷きながらそう言うと、宏隆はにっこりと微笑んで、私の唇を親指でなぞるから。
「宏隆は…?」
「ん?」
「嫌じゃない?」
すると、あははと楽しそうに笑って「嫌なわけない」と私と同じように答えた彼の顔が再び近付いて、ついに唇同士が触れた。
思っていたより柔らかくて、ちょっと湿っていたそれは、角度を変えて何度か触れてから、離れていった。
「…ねえ、若菜」
「ん?」
「ちなみに今って、どこまで許せる?」
「何が?」
「俺と、恋人らしいことしようってなったら」
「恋人らしいこと…」
「キスの先の話」
それがなんなのかわからないほど子供ではない。経験は…ないけれど。
「…したことないからわかんないよ…」
「…まあ、したことないなら俺もだけど」
「えっ!」
「何その反応」
眉を下げて苦笑しながら、「こんなところじゃなくて部屋で座って話そっか」と宏隆は私の手を引く。
「いや、だって宏隆ってなんでもできると思ってたから」
「なんでもって…恋人らしいことはさすがに好きな人とじゃなきゃできないよ」
「いやまあ…、そうだけど…」
宏隆は話しながらもてきぱきと私の着ていたコートを脱がせて、ハンガーに掛ける。
「逆に、経験してた方がよかった?俺が若菜以外の誰かとセックス」
「……それはなんかすごくやだ」
「俺もやだ。ていうか無理だな。若菜以外に欲情しないし」
直接的なワードが飛び出して、ちょっとどぎまぎしていると、先にソファに座った彼が「おいで」と膝をぽんぽんと叩く。
よく分からないまま近付くと、腰に手が回される。そのまま引き寄せられて彼の膝に跨るように座ってしまう。
「これ恥ずかしい…」
「ずっと我慢してたからこれくらいは許して」
「我慢してたの?」
「そりゃそうでしょ。大好きな人とひとつ屋根の下で暮らしてて、手出さずにいるのって結構大変なんだよ」
私が彼の膝に座ると、少し視点が高くなる。いつもとは反対の視界が新鮮で、梳かすように彼の髪に手を差し入れる。
少し硬めの、さらさらの髪の間から感じる地肌の熱。
こちらを見上げて来る視線を受け止めながら、自然と言葉が口をついて出た。
「でも、なんていうか…」
「…ん?」
「宏隆となら、なんでもできると思う。宏隆、私のことすごくよくわかってるから、安心してる」
「若菜…」
「結婚するのもそうだけど、恋人らしいことするのも、宏隆がいいよ」
ちょっぴり順番は違うけれど。彼じゃなきゃだめなのだ。
私のことを誰よりも理解してくれていて、大切に思ってくれる人。
しかしその直後、なぜか彼は一瞬泣きそうな表情を浮かべてから俯き、それから「敵わないなあ」と笑う。
「…若菜って酔ってもいろいろ覚えてるタイプだったっけ?」
「…なんのこと?」
「そんな感じのセリフを前にも言われたから。一応聞いておくけど、今は素面だよね?」
「もちろん」
宏隆は目を細めて私のことを見つめる。
その眼差しがあまりにも甘くて優しくて、なんだかこちらまで恥ずかしくなってしまう。
心にじわっとあたたかいものが込み上げてきて、彼の肩に手を置くと「目、閉じて」と言われる。言われた通りに目を閉じると、唇がそっと触れ合った。
「大好きだよ。若菜のこと」
「…私も宏隆のこと、ちゃんと好きだよ」
私の言葉に嬉しそうに微笑んで、彼は「ご飯食べよっか」と私の頭をくしゃくしゃと撫でた。
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