インフル病みの壱郎さん

悪魔ベリアル

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寝室のドアを静かに開く。
熱病でふらつく壱郎の意識と指先で、出せる細心の注意を払う。

ヒヨリは低血圧で眠りが深い。
睡眠から起きて覚醒するのに時間がかかる。
彼女だけなら、ちょっとやそっとの刺激では目を覚まさない。

だが、一緒に寝ている相手は別だ。
過敏な人なら、他人が入室した時点で覚醒するかもしれない。
出来る限り、息を殺し。
そぉっと、寝室へ侵入する。

そして、寝ている所を不意打ちして、叩き起こしてやる。
二人で有頂天になって派手な酒盛りをして、
なだれ込む様に浮気セックスして
スッキリして、惰眠を貪る二人に天誅を下してやる。

そんな気持ちを心の奥でメラメラと燃やしつつ、
壱郎は寝室のドアを開き、こっそりと侵入した。

完全に室内は消灯していて、真っ暗になっている。
壱郎はスマホの灯りを消し、手の指先が床に触れる程に身を低くして侵入する。
蚤の様な体勢で、彼は寝室へ入り込むとベッドの方を見た。

暗い中で、何とかベッドがふっくらと盛り上がっているのを確認する。

「何だぁ…?二人で添い寝してんのかぁ~…?」

そそっとベッドへと接近している途中、指先に触れた洋服を手に取る。
ジッと暗がりに眼を凝らし、自分が何を手にしたのか壱郎は凝視した。

ツヤツヤとした、独特のテカり。
透けた薄絹と微細な刺繍が施された下着。
それは、パステルピンクの高級そうなショーツだった。

「…なんだ?こんなパンツ初めて見たぞ…っ?」
「クソッ…、勝負パンツってヤツかぁ~?」

ヒヨリの浮気を確信し、壱郎は手にしたショーツを放り投げる。
更に触手の様に床へ手を伸ばし、散乱した洋服を集める。
そして、ショーツと対になったブラジャーを見つけた。

「ちっ、素っ裸すっぱだかで寝てるんかよっ!?」
「…絶対っ、ヤッてんじゃんか…っ!!」

怒りが沸騰したせいか、
熱病に眩んだのか、
壱郎はバランスを崩して、四つん這いに床へとへたり込んだ。
その脳裏には、ヒヨリの姿が浮かぶ。

明るい茶色の肩まで伸びた髪。
スッとしたシンプルな顔立ち。

やや三白眼だが、凛々しさがある大人な目つき。
その瞳に淫らな光が浮かび、しっとりとした視線を送っている。

紅く艶やかで、ポッテリとした唇。
それが、色っぽく半開きになり、甘い喘ぎを漏らす。

白い肌、ゆったりとした抱き心地の良い女体。
ふっくらとした乳房。

そんな、全裸のヒヨリの肢体を思い浮かべた。
彼氏である壱郎しか知らない表情。
恋人の壱郎にしか見せない痴態。

全部、恋人の俺だけに見せていた筈だ。
ヒヨリの彼氏。
ヒヨリの男である、俺だけが見られる姿。

「…なのに、なんでなんだよぉぉ…っ。」

それを他の男へ披露しているヒヨリの姿。
そんなイメージが壱郎の思考を襲い、彼はザアッと血の気が引いた。
淫らなセックスに身を委ね、別の男の下でヒヨリが喘ぎ乱れる姿。
そんな妄想が、眩暈と共に壱郎の脳裏に浮かぶ。

「くそっ!!」
「…くそっ!絶対、許せねぇ…っ!!」

悪態を吐きつつ、ギリギリまでベッドに接近すると、壱郎はソッと片手を伸ばした。
その手が、サラリッと軽やかな長髪に触れる。

「ビンゴッ☆」
「コッチ側にヒヨリが寝てるのか…。」
「リビングの様子からすると、泥酔し切って寝てやがるな。」

より深く毛布の奥へ手を入れ、彼女の髪を辿って肩から腕へ触れる。
スベスベした肌触りの良い女体の肌。
壱郎の指はそれを感じ、ヒヨリの存在を確認した。

「くそぉ…、どうしてくれよう…。」
「このまま、叩き起こして説教してやっても良いけど…。」

滑らかな肌触り。
壱郎の手は彼女の腕から、腰の曲線へ触れる。
緩やかな腰のライン。
彼女が全裸である事を手探りで確認する。

「くそ…っ、絶対、浮気だ…!1」
「いつもなら、チャンとパジャマを着ているクセに…っ!!」

引き寄せられる様な曲線を指でなぞっていると、ムラムラとした気持ちが彼の奥底から湧き立ってくる。
それは、ぎゅっと股間へと集中して、ムクリッとペニスが鎌首をもたげた。

「ヒヨリ…、本当に浮気したのか…?」
「さっきまで、この寝室で他の男とセックスしてたのか…??」
「くそっ!くそっ!!何発ヤッたんだっ!」
「他の男のチンポを…、く、口でしゃぶったのか…?」
「セックスは?どんな体位でヤッた?正常位?バック…?」

自分は病の熱で、正常な思考を失っているのかも知れない。
ブツブツと湧き上がる独り言を止められない。
それと同時に、ヒヨリの肉体に刻まれた"間男の記憶"を書き換えたい欲望にも駆られる。

この丸く卑猥な尻を掴み、勃起したペニスをぶち込みたい。
セックスで繋がり、ヒヨリの可愛い顔が悦楽に歪む表情を見たい。
膨れ上がったペニスをポッテリとした唇の口に咥えさせ、ヒヨリの口内へタップリと射精したい。

「ぅぅ~…、あぁ…、ヤりたくなって来たぁ…」
「…そうだ、このままヒヨリを襲って、浮気相手に見せつけてやるのは…、どうだ…?」
「寝ている横でセックスして、それを見せつけてやるっ!!」
「俺が彼氏なんだと…っ!」
「ヒヨリの彼氏なんだと見せつけてやる…っ!!」

そんな薄暗い気持ちが、壱郎の心を満たして行く。
そして、ヒヨリを牝として屈服させたい。

壱郎は決意を固めると、その場でズボンを脱ぎ、下半身だけ裸になった。
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