親に愛されなかったけど孤児院のみんなと幸せに暮らします

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1章 本当の家族

学校が怖い

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しばらくして信一さんが僕を養子にする手続きをしてくれて、僕は正式に信一さんたちと家族になれた。そして、勇次郎さんと新太さんは信一さんの仕事仲間で、よく信一さんの家に来ていたようで、僕が養子になってから、忙しくなるだろうからとしばらくここに住むことになった。

そして、いつもと同じように焼いたパンをみんなで食べていた時に、信一さんたちに一つのことを提案された。

信一「なあ、もうすぐ新学期になるんだが、学校に行ってみないか?」
月海「…え、、、えっ…と、」

お金を稼げるようにさせるからと、学校だけは親に行かせてもらえたが、学校では傷や痣を見られて、汚いと言われて、いじめられた。だから、できることならもう行きたくない。信一さんたちは僕の傷を見ても何も変わらなかったけど、学校ではやっぱり同じようにされてしまうんじゃないかって思っちゃう。

信一「ゆっくり考えればいい、行きたくなかったら俺たちが教えてやる。」
月海「え?」

絶対行けって言われるんじゃ、、

勇次郎「学校じゃなくたって、勉強する方法はいくらでもある。それに、俺たちは
    月海が楽しく生きてくれればいいんだ。そのための手段の一つとして学校
    があるってだけだ」
新太「ああ、学校に行くのは勉強して、将来好きな仕事について楽しく生きるためな
   んだ。だから、学校でなくたって、べつのしゅだんをつかっていい。ただ楽し
   く生きれればいいんだ。」
月海「ポロポロ うん、、グスッ」
信一「大丈夫だ だって、俺たちは家族なんだからな」ヨシヨシ

学校、、行かなくてもいいんだ…


勇次郎「じゃあ、どうやって勉強させることにするんだ?」
信一「う~ん、、、」
佳奈「じゃあ、私が教えてあげる!」
信一「!佳奈、いつの間に起きていたんだ。

   でも、確かにいいかもな。」
勇次郎「ああ、誰か一人大人が見守っている必要はありそうだが、そこは俺と新太が
    できるしな。」
信一「え、いいのか?」
新太「お前が勉強苦手だからだろ」
信一「あ、そうだったな、ごめんごめんww」

その後もみんなで話し合って、僕に問題集を買ってもらい、分からないところは佳奈おねえちゃんに教えてもらいつつ、佳奈おねえちゃんも分からないところは勇次郎さんと新太さんが交互に教えてくれることになり、明日から勉強を始めるそうだ。

勉強って、家でやるのはどんな感じなんだろう?前は学校に行って勉強してたけど、あんまり勉強に集中できなかったし、学校が楽しくなくて、それで勉強も楽しくなくなっちゃった。でも、佳奈おねえちゃんは勉強が楽しいって言ってたし、もしかしたら楽しいのかも!ああ、早く明日にならないかなぁ


翌日

勇次郎「じゃあ、今日は俺が見てやるから、勉強始めるか」
佳奈「うん!」
勇次郎「月海は一旦このテストを受けてみてくれ」
月海「うん、わかった」

あれ、なんかすごい解ける、、勉強は好きじゃなかったけど、一応やってたからかな?

月海「解き終わった!」
勇次郎「え、早すぎるだろ、、


    丸つけ終わったぞ、月海。全問正解だ。すごいな。」
月海「え、」
勇次郎「このテストも受けてみてくれ、さっきのは2年生用のテストで、これは3年生用のテストだ。」
月海「うん、」

その後、色々な学年のテストをやって、すべてのテストで全問正解だった。

勇次郎「これは高3用の問題なんだが、、」

う~ん、高校生用の問題なのに、なんで全部わかるんだろう?
あ、そういえば、学校の授業よりちょっと難しい問題を親に渡されてて、それが終わらないとご飯がもらえなかったから、それが高校生用の問題だったのかな?でも、なんだかうれしいな、あの時頑張って勉強してよかった。

勇次郎さんは夕食の時間までずっと考えていた。

信一「勇次郎、月海の勉強はどうだった?」

信一さんにそう聞かれて、勇次郎さんは、高校生用の問題でも全問正解だったことを話して、その後に、IQテストの話をしていた。

勇次郎「IQテストも受けさせたんだが、月海はIQ165ある。天才だ。だから高校生用
    の問題も全部わかったんだろう。で、どうする?教えることないぞ」

湖々奈「月海、すごいじゃない、よく頑張ったわね」
月海「ありがと!」

信一「月海、勉強は楽しかったか?と言っても、テストと、佳奈と一緒にちょっと勉
   強した程度だが、、」
月海「楽しかったよ、佳奈おねえちゃんと一緒に勉強して面白かった、」
信一「そうか、、うん、良かった。  とりあえず今日は早く寝ろ、疲れただろ」
月海「うん、わかった」

そして、ご飯を食べ終わった後、僕はお風呂に入って、寝ようとしていた。

今日は楽しかったな、、今頃は、あの家にいたら、殴られてて、ご飯なんか食べれてないし、なんだか夢みたい、、それに、勉強が楽しいって思うなんて、学校に通ってて、勉強が嫌いだった時がずっと昔みたいだなぁ、、
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