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月子の取扱説明書
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しおりを挟む個人の特殊能力を上手く使いこなし、新しい技を生み出したりコンビネーション技を開発したりしている。さすがにこれは屋上でだが。
それでも、まだ努力が足りないのか?まだまだ、全然足りないのかもしれない。
実際、戦闘部はリンクスやハウンドと戦っても戦闘部が5人でやっと1体を倒せるくらい。負傷者は必ず出る。
諜報部は新しい卵を発見しても遅く、チユニ達が到着するまでに壊されてしまう。諜報部で1番を誇るカラスでさえ。
「私は、大丈夫。皆が私を心配してくれていることはよーっくわかるし、もどかしいって思う気持ちも理解できる。でも、諦めちゃだめなんだよ」
「別に諦めてなんかないわよおぉ。あたし達の大事な仲間なんだからあぁ、もぉーっと数が増えればあたし達のことがわかるはずなんだもの。そうでしょおぉ?」
月子のことは月子にもわからない。自分のことがわからないのは、誰よりももどかしいだろう。
フンッと鼻を鳴らし、レナはチユニの右腕に抱き着いた。こんな風に甘える時は必ず、彼女はチユニにあることをしてほしいとねだっている。
だがこの時のチユニはそれに気づかず、苦笑を浮かべただけで「ところで、シャノンは?」と爆弾発言。
レナの体から怒りのオーラが静かににじみ出るのを、あの鈍感なユラでさえ感じ取った。
これはヤバい。チユニ以外が本能的に耳を塞ごうと手を上げかけたが、ようやく戻ってきた仲間の姿を見つけ手を下ろす。
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