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玖号
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しおりを挟むコードネーム玖号。それが、彼が月のゆりかごで呼ばれる名前。
実験用のマウスではないのだから、かわいそうだといってチユニが新しく付けた彼の名前が、速神ユラ。
コードネームは他の月子全員にもつけられている。チユニや月のゆりかごの社長が付けたものではなく、生まれた時から彼らの手の甲に書かれているものだ。
ユラの場合は左手の甲、三日月の中に“玖”と刺青のようなものがある。消えることはない。
9人全員が見つかった順番の数だったことから、無事に生まれた瞬間に手の甲に浮かび上がるものだということになっているが詳しいことは未だ不明。
彼が生まれるまでに3つの卵が破壊された。彼の誕生は奇跡に近かったが、それも卵が出現した場所が比較的、月子研究所の近くだったからだろう。
月子研究所――月のゆりかごが所有するビルで月子達の家がある方――のすぐ隣にあるコンビニの駐車場に、彼の卵は出現した。
当然、出現してすぐに社員が見つけたため生まれるまで保護できた。戦闘部と月子を合わせた十数人で常に警備し、9時間後に自力で殻を割って生まれた。
全裸。これは人間も月子も、全員が共通。殻から這い出た彼は目の前にいるチユニを認識すると、片膝を突いて恭しくこうべを垂れた。
「お初にお目にかかる。おぬしを主とお見受けする。我、9番目の名を拝命する」
「…………君はニンジャかい?」
それが、2人が初めて交わした会話。ユラがあまりにも忍者すぎるので、与えた衣服も忍者チックなものになっている。
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