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伍号
9P
しおりを挟む言うだけ言って、行方不明の音信不通だったヒロキは屋上から飛び降りた。先に言っておくが、ヒロキは月子で7番目なのでハクトの弟にあたる。
見た目年齢的にもお兄さんぶっているヒロキは、地上で突然消えた獲物を探しているハウンド達の前にフワリと降り立った。
そう、フワリと。すぐに気づいたハウンドが唸り声をあげ飛びかかると、他のハウンド達も新しい獲物を前に嬉々として雄叫びをあげた。
「気合十分のところ悪いけど、今、俺の機嫌は最っっっ高に悪いんだよねぇ。だぁかぁらぁ………………一瞬で終わらしてやんよ」
苦笑を浮かべていたヒロキ。一斉に襲いかかってきた9体のハウンド達を前に両手を突き出せば、ニヤリとドス黒い笑みを浮かべた。
するとハウンド達の動きがピタリと止まった。そのままヒロキが手を振り上げればハウンド達は空高く浮上、手を振り下ろせばハウンドも急降下。
まるで地面に引っ張られるように、そして9体共がドスンッ!と地面に叩きつけられる。
まだ終わらない。ヒロキがメチャクチャに両手を振り回し始め、あるハウンドは何度も地面に叩きつけられる。あるハウンドは他のハウンドと何度もぶつけ合わされる。
9つの黒い影が、不自然に飛び回る。地面に黒い血の池を作る。ビチャッ!ベチャッ!と、黒い水しぶきが上がる。
「オォラァァァァッ!!これで、終わりだぁッ!!」
ビュンッとヒロキ自体が高く高く飛び上がると、何度も叩きつけられもう瀕死状態のハウンド達を引き連れるように高々と舞い上がらせた。
ハクトがいるマンションの屋上よりも、ライトがいるビルよりも高い、てっぺんに避雷針が設置されたビルの上まで。
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