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伍号
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しおりを挟むまだ終わらない。その避雷針めがけ振り下ろされたハウンド達は1体ずつ、次々と避雷針に貫かれていった。ハウンドの串刺しの出来上がり。
そこへえらくタイミングよく「カッドッガァァァァンッッ!!」と、大きな雷が落ちた。ハウンドの串刺し、黒焦げ。あぁ、元から真っ黒か。
「あぁー、こりゃまた偉い機嫌悪うなっとるやん」
タイミングが良すぎる落雷は人為的、ようやく駆け付けたレンマが放った一撃だった。
ハクトの肩を支えてそう呟いたレンマは、ゆっくりと地面に降り立った至極機嫌の悪いヒロキに目を向け笑う。
「ライトとハクトが何度も何度も何度も何度も、強く呼ぶから仕方なーく来てあげたんだよ。お気に入りの子とのデートをすっぽかしてねっ!」
「そりゃしゃーないで。女の子と多くの人間達の命、どっちが大事やねん」
「ヒロキ……こっちが大事だって選んでくれたから、来てくれたんだよね。ありがとう。来てくれなかったら今頃僕、生きてない……」
「はいはい。で、ライトとあそこにいるのは何なんだろうね?って、おい――ッ!!」
3人がライトがいるビルの37階を見上げると、その窓が割れて何かが飛び出した。
ほぼ同時にもう1つ黒い影が飛び出し、先に飛び出し落ちるライトに殴り掛かる。あれはシルエットからして人間か?ライトは身をひねり空中で躱しているが、相手の攻撃の方が早い。
ビルの27階あたりまで落ちた時、黒い影の蹴りがもろに入りライトの体は外壁に叩きつけられた。
ライトの特殊能力ならば相手の攻撃の方が早かったり、ましてや攻撃を食らうことなんてありえないのに。だからこそ、ヒロキ達は驚き慌てた。
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