moon child

那月

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伍号

12P

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 それでもレンマは3人を背に庇い、近づいてくる黒い影を睨み付けながら横に出した右手の親指を立ててみせた。


「わいを誰やと思うてるんや?そんなくだらん心配せんと、早う行き。巻き込まれるで?」


 その力強い言葉に、声にヒロキは決心した。ライトを背に乗せ、自力で歩くこともままならないハクトの腕をつかんで立たせると、少し浮上。


 両腕にバチバチと電気をまとわせて自身を高めているレンマ。背を向け「だよな」と呟くと、チユニが待つビルへと浮上したまま進み始める。


「あ、レンマ…………気を付けて。その人なんだか、とても――」


 だんだん小さくなっていく背中にかけた言葉は、レンマには聞こえなかったのかもしれない。ハクトはもう1度、心の中で呟いた。


 小さく「とても変な感じがする。怖くて寂しい、そんな感じがする」と。


 ただの直感だ。何を理由にそんな感じがするのか、ハクト本人にもわからない。ただハクトは悲しかった。嘆いた。


 自分がもっと体力があって強かったら。ハウンドなんかすぐに倒して、レンマやヒロキと一緒にあの黒い影と戦うことができたかもしれないのに。


 こんなにたくさんの人間達を犠牲にしなくても良かったかもしれないのに。自分が弱いから。助けられてばっかりで、足手まといになっているから。


 ヒロキに引っ張られながら、ハクトはそんなことばかり考え自分を責め続けた。


 そんな様子を見かねてか、ハクトの腕をつかむ手にグッと力を込めてヒロキは口を開いた。溜め息を吐いた。


「ハクトはやぁーっぱり弱いな。弱すぎて笑えるくらいだぜ。けどさ…………弱いなりに頑張ってただろ?ハウンド9体も動きを封じるとか、お前にしては上出来だって」


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