moon child

那月

文字の大きさ
92 / 256
柒号

17P

しおりを挟む

 ――気づけばもう夜。晩御飯も食べ終わった月子達は一旦会議室に呼ばれ、チユニから今朝のことについて報告があった。


 やはりあそこにいた黒い影の男はハルヒを殺した男で、リンクスとハウンドを率いるリーダー格のような者らしい。


 彼が持っていると思われる特殊能力はおそらく、ヒロキのサイコキネシスとは違い重力コントロールだと思われる。まず、人間ではない。


 彼の出現はこれで2回目。なぜこのタイミングなのか?どこに住んでいるのか?謎は増える一方。


 だが今回彼は言葉を発している。レンマが戦っている時、彼は小さく低い声で「兄貴を返せ」と呟いたそうだ。それが誰のことかはわからないが。


 兄とは誰のことか?探している。月子達が隠しているというのか?しかし彼らには全く心当たりがない。


 戦闘部と諜報部も首を横に振り、これからより一層慎重に情報を集めるよう努めるとうなずく。だからチユニは彼に聞いたのだ。


 時に諜報部よりも情報を持っている彼に。彼――ライトは目を伏せて「俺にもわかりません」と言った。


 彼の特殊能力は唯一、自由に使えるものではない。突発的というか、勝手に発動するのだ。情報収集に長けるが、彼にもわからないとなるとお手上げだな。


 結局、今回の話し合いでは状況の報告と整理だけで終わった。ヒロキのことはライトが謹慎の解除を申し立て、溜め息を吐かれながらもチユニに許してもらった。


 拍子抜けするくらい素直に、真剣にヒロキが謝ったからである。床に正座し、床に額がつくほど深く頭を下げての土下座。


 珍しい光景にレナが写メを撮ろうとして、やめた。「一緒に倒す、手を貸してほしい」と言ったから。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ゲーム未登場の性格最悪な悪役令嬢に転生したら推しの妻だったので、人生の恩人である推しには離婚して私以外と結婚してもらいます!

クナリ
ファンタジー
江藤樹里は、かつて画家になることを夢見ていた二十七歳の女性。 ある日気がつくと、彼女は大好きな乙女ゲームであるハイグランド・シンフォニーの世界へ転生していた。 しかし彼女が転生したのは、ヘビーユーザーであるはずの自分さえ知らない、ユーフィニアという女性。 ユーフィニアがどこの誰なのかが分からないまま戸惑う樹里の前に、ユーフィニアに仕えているメイドや、樹里がゲーム内で最も推しているキャラであり、どん底にいたときの自分の心を救ってくれたリルベオラスらが現れる。 そして樹里は、絶世の美貌を持ちながらもハイグラの世界では稀代の悪女とされているユーフィニアの実情を知っていく。 国政にまで影響をもたらすほどの悪名を持つユーフィニアを、最愛の恩人であるリルベオラスの妻でいさせるわけにはいかない。 樹里は、ゲーム未登場ながら圧倒的なアクの強さを持つユーフィニアをリルベオラスから引き離すべく、離婚を目指して動き始めた。

自由を愛する妖精姫と、番にすべてを捧げた竜人王子〜すれ違いと絆の先に、恋を知る〜

来栖れいな
ファンタジー
妖精女王と精霊王の間に生まれた特別な存在――セレスティア。 自由を愛し、気ままに生きる彼女のもとに現れたのは、竜人族の王子・サイファルト。 「お前は俺の番だ」 番という名の誓いにすべてを捧げた彼は、王族の地位も未来も捨てて森に現れた。 一方のセレスティアは、まだ“番”の意味すら知らない。 執着と守護。すれ違いと絆。 ――これは、ひとりの妖精姫が“特別”に気づいていく物語。 甘さ控えめ、でも確かに溺愛。 異種族の距離を越えて紡がれる、成長と守護のファンタジー。

三歩先行くサンタさん ~トレジャーハンターは幼女にごまをする~

杵築しゅん
ファンタジー
 戦争で父を亡くしたサンタナリア2歳は、母や兄と一緒に父の家から追い出され、母の実家であるファイト子爵家に身を寄せる。でも、そこも安住の地ではなかった。  3歳の職業選別で【過去】という奇怪な職業を授かったサンタナリアは、失われた超古代高度文明紀に生きた守護霊である魔法使いの能力を受け継ぐ。  家族には内緒で魔法の練習をし、古代遺跡でトレジャーハンターとして活躍することを夢見る。  そして、新たな家門を興し母と兄を養うと決心し奮闘する。  こっそり古代遺跡に潜っては、ピンチになったトレジャーハンターを助けるサンタさん。  身分差も授かった能力の偏見も投げ飛ばし、今日も元気に三歩先を行く。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜

美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?

《完結》錬金術師の一番弟子は国から追われる

小豆缶
恋愛
国一の錬金術師アリエルは、私の師匠であり親代わり。 そんな師匠が、突然国の金を横領して総司令官と駆け落ちした――そんな噂に巻き込まれた一番弟子のミレイユ。 絶対に信じられない。師匠に駆け落ちをする理由がない 理不尽な取り調べに耐え、全てを奪われた彼女は、師匠が残した隠れ家へ逃げ込む。 電気も水道もない自然の中、錬金術の知識だけを頼りに生活を始めるミレイユ。 師匠の教えを胸に、どんな困難も乗り越えてみせる。 錬金術で切り開く未来と、師匠を信じる心。 それが、私の全て――。 真実が隠された陰謀の中で、師匠を巡る愛憎と、少女を支えるレオンハルトと歩む、希望と成長の物語。

『人間嫌いの狐王に、契約妻として嫁いだら溺愛が止まりません』

由香
ファンタジー
人間嫌いで知られる狐族の王・玄耀に、“契約上の妻”として嫁いだ少女・紗夜。 「感情は不要。契約が終われば離縁だ」 そう告げられたはずなのに、共に暮らすうち、冷酷な王は彼女だけに甘さを隠さなくなっていく。 やがて結ばれる“番”の契約、そして王妃宣言――。 契約結婚から始まる、人外王の溺愛が止まらない和風あやかし恋愛譚。

春の雨はあたたかいー家出JKがオッサンの嫁になって女子大生になるまでのお話

登夢
恋愛
春の雨の夜に出会った訳あり家出JKと真面目な独身サラリーマンの1年間の同居生活を綴ったラブストーリーです。私は家出JKで春の雨の日の夜に駅前にいたところオッサンに拾われて家に連れ帰ってもらった。家出の訳を聞いたオッサンは、自分と同じに境遇に同情して私を同居させてくれた。同居の代わりに私は家事を引き受けることにしたが、真面目なオッサンは私を抱こうとしなかった。18歳になったときオッサンにプロポーズされる。

処理中です...