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参号
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しおりを挟むとりあえずビルの最上階、月子達の家のリビングに集まり少女をソファーに座らせる。隣にはチユニと、今1番心を許しているらしいレンマが腰かける。
少女の様子をうかがいながら、まずは自己紹介。改めてチユニから始まり、月子達とサクマが1人ずつ少女の前に出た。
そのたびに少女は真剣に耳を傾け、両掌で顔を撫で覚えていった。ユラの右目に触れた時、手が止まりうなずいたのが印象的だったな。
そして最後、連絡を受けて情報部長のカラスが肩に小カラスを乗せてやってきた。
「あ、カァ子より若いぽい?両目失明で声帯がないって聞いたけど、これじゃあコミュニケーションが取れないでしょ。どうすんの?」
「天才のカラスならぁ、この子の心を読み取って言葉として翻訳する機械ぐらい造れるでしょおぉ?」
「無理言うなぁ。でも、できなくはない。多少は時間かかってもじっくり研究して、実用化できる翻訳機を造ってみせる。1台で50万とか」
カラスは自分のことを「カァ子」と言う。使役しているカラスのことは大事な「部下」だそうだ。
根暗で腹黒、ややツンデレな部分もあるが研究員としてはずば抜けた天才の頭脳を持っている。正真正銘16歳の女の子だが、飛び級をして大学を卒業している。当然、首席だ。
しかし幼い頃からこんな子供だったため、身内に大層忌み嫌われ路地に捨てられていたところを拾われている。
今は父親代わりのサクマの家に住んでいる。年の離れすぎた兄妹、のようなものか。ちなみに、拾ったのもカラスという名を与えたのも彼だ。
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