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moon child
13P
しおりを挟む「んむっ!?る、ルカ……?」
「それ、あたしが1番最初に食べて1番好きなチョコ。主がくれた板チョコ。じゃあね、バイバイ」
だいぶ満腹?胸を押さえて「ふぅ」と息を吐くライトの口に、板チョコの欠片が突っ込まれた。
無論、ルカだ。口の周りと豊かな胸元をチョコで汚しまくっている彼女は持ち歩いている全ての他のお菓子を、ずっと夢中で食べ続けていた。
9割がチョコだが、とんでもない量を隠し持っていたものだ。足元に残骸、というかお菓子の包み紙が散乱している。
ライトの口に突っ込んだのが板チョコの3割。残り7割を自分の口に放り込むと、とても大人びた、しかし少しだけ子供っぽいような柔らかい笑顔を浮かべて彼の中へ。
ライトグリーンのモヤになった彼女は、ユラの次に表情に変化がない。あんなにも優しく穏やかな微笑みは、初めてだった。
「皆、最後までいつも通りってか、皆らしいなぁ。じゃ、俺らもお邪魔させてもらうぜ?」
次にライトの前に立ったのは、淡いピンク色のモヤとなっているハルヒを抱きかかえているヒロキ。
幸せそうだな、ヒロキもハルヒも。まだ終わってないのだけれど、2人は2人の区切りが一旦ついて楽になったのかもしれない。
女好きな遊び人なチャラ男だったヒロキは回れ右をし、90度頭を下げた。
「今までありがとう、主。主がいなかったら俺、ハルに告白できなかった。すっげー幸せなんだ。だから主も、全部終わったら幸せになってくれよな?」
ニカッと笑う彼は、本気のことには不器用。遊びなら7人の女の子と同時に付き合えるのに、本気でハルヒを好きになった時はそれはもう、笑えるほどたどたどしかった。
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