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moon child
14P
しおりを挟むハルヒと目が合えば真っ赤になって逃げ去るし、声をかけられれば「あーこれからデートだったっ!」と嘘を吐く。仕事で一緒になった時は自分の体に爪を立てて我慢していたな。
遊びではない、心から1人を愛する気持ちにどうしていいのかわからず、気付いたチユニがよく相談に乗っていた。
そんなヒロキが告白できたのも、結婚を約束して幸せに付き合っていけたのもチユニのおかげ。チユニがいまだに結婚していないのが謎だが。
「那月、緋月、先に行っていいよ。アレは僕が何とかするから」
スカイブルーのモヤに変身したヒロキがハルヒと共にライトの胸の中に納まると、残ったのは大白リンクスと普通のリンクスの大群を操って戦っている双子とアーシルだけになった。
アーシルが双子の前に立ってケダモノと対峙すれば、ケダモノの標的が彼女に移り襲いかかる。
人間の腕だったはずのそれは漆黒の、鋭い爪を生やした大きく長いバケモノの腕。その右腕がアーシルに振り下ろされるが、彼女は怯むことも避けることもなく
「あなたが信仰し続けてきた神様はね、あなたが思っているよりもずっとずっとずぅーっと、強いんだよ……!!」
と、腕を殴り飛ばした。素手の、右のパンチ。155センチくらいの背の、細身の女の子。自称神様のパンチは、ケダモノが見えなくなるくらい遠くに殴り飛ばしてしまった。
……アーシルだけで倒せるんじゃないか?そう思うだろう。力があっても、どれだけボロボロに痛めつけても完全には消滅してくれないのが邪神なのだ。
だからほら、衝撃で腕がもげるほどのパンチを食らっても、ケダモノは猛スピードで戻ってきた。
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