moon child

那月

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moon child

15P

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 ウニョウニョと黒いモヤで新しい右腕を形成しながら、漆黒の翼を羽ばたかせてまっすぐアーシルに突っ込んでくる。


 どこからへし折ってきたのか、左手と触手のようなもので数十階建てのビル――中には逃げ遅れた人間が見える――を掲げ、勢いよく振り下ろす。


「「おっかないなー、攻撃がハデになりすぎだってーのー」」


 瞬時に緋月がライトを、那月がチユニを離れた安全そうな場所まで移動させた。腰に手を当て、プリプリ怒っている。


「本気の母さん、初めて見たなぁ。もっと見ていたいけど、母さんが先に行けって言うんなら仕方ない。ねぇ緋月?」


「そーだなー那月。兄さんの中、もう10人もいるんだから窮屈そうだな。くひひひっ」


 片ハサミを肩に担ぎお互いの手をギュッと握り締める双子は、泣いていた。口角を上げて笑いながら、泣いていた。


「「愛してる、兄さんッ!!」」


 もっと生きていたかった。そんな思いが伝わってくるようだ。彼ららしく弾けんばかりの笑顔を向けた双子は、オレンジ色のモヤになって飛び込んだ。全てのリンクスが消えた。


 あと1人。アーシルを取り込めば、完成できる。だが彼女は絶賛怪獣映画よろしく戦闘中。彼女が消えた瞬間、ケダモノはライトとチユニに襲いかかるだろう。


 だからライトは考えた。一瞬でいい、ケダモノを大人しくさせられれば一気に完成させて戦うことができる。


 12人を取り込んでフラつく彼は歯を食いしばり、背筋を伸ばす。まっすぐケダモノを見据え、ある決心をした。


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