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巣屈にて
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しおりを挟む傷が痛んで悶絶していると顔に枕が激突して、しかもそれがかなり強かったものだから耐えきれずに仰向けに倒れたわ。
顔に乗った枕をつかんで起き上がりながら、仕返しに全力で投げつけてやろうと思った。背筋が凍ったわ。
「7年前、ノルウェムに何が起こったか教えてあげようか?」
すぐ目の前に男がいた。覆いかぶさって、茶色と緑色の瞳がアタシを見下ろす。怪しい光を放つ、気味が悪いオッドアイ。
怖い。本能が警鐘を鳴らすその時、男の手がアタシの胸をまさぐってきた。
「さっき言っていた1回抱かせてくれるならって話、僕にも有効だよね?大丈夫、総長みたいな手荒な真似はしないから」
不気味な笑みを浮かべる顔は赤くなっていないし、欲情しているような感じもない。じゃあどうして?
何を考えているのかわからなくて、ノルにメチャクチャに犯されるよりも怖い。枕はともかく、暴力的なことは何もされていないのに。この目が怖い。
「あ、あんたも、ホモなの?あれ、冗談のつもりだったんだけど。そんな簡単に頭の秘密をバラしちゃってもいいわけ?」
「僕はれっきとしたノーマルさ。ただ、気が向いたからあんたを犯そうと思って。ノルウェムのお気に入りを汚してやったら面白そうだし……」
「あんた、わざとノルを怒らせるつもり?それじゃあ殺されちゃうわよ」
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