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帰宅、アタシの居場所
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しおりを挟む「さてと。アタシはもう大丈夫よ。ちょっとシャオリンの様子を見てくるわ。あ、そうそう、本格的にお腹がすいちゃったからおにぎりでも握ってくれる?」
「おにぎり?私が作るん?」
「そうよ、先輩に習って握って持ってきてちょうだい。足が痛かったら無理しなくていいわ」
ゼリーで腸の動きが活発になってきたみたい。グーギュルルルルーってお腹が鳴って、イチカの頭を撫でる。あ、やっと殺意が消えた。
イチカの指導係の先輩に手を引かれ、彼女は不安そうに自分の手を見つめながら部屋を出る。人を殺した手で、って気にしてるんでしょうね。
楽しみよ、イチカがアタシのために握ってくれるおにぎり。多少は不格好でも笑ってあげる。
誰かのために料理をすることの楽しさと大切さ、感じてくれるといいんだけど。それに、今度こそ彼にも食べてもらいたいし。
アタシは自分の部屋を出て、隣の部屋のドアの前で立ち止まる。うん、ちゃんと歩ける。
「シャオリン、アタシ。入ってもいいかしら?だめって言うんならこのドア、壊してでも入るわよ」
この家はアタシのお金で買った家なんだから、アタシが壊しても文句ないわよね。本当に壊すわよ?思い切り蹴り飛ばすわよ?
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