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帰宅、アタシの居場所
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しおりを挟むDBのアジトの30階建ての立派なビルとは違って、スカーレット・ローズのアジトは普通の家。
2階建ての4LDK。1階は広いリビングダイニングと和室と水回り、2階にアタシの部屋とシャオリンがいる部屋。あともう1部屋は客間。
本当はシャオリンがいる部屋、イチカの部屋なの。元々この家にはアタシとイチカの2人で暮らしている。
他の皆はそれぞれ自分の家。活動する時は通ってもらってる。だってこれ以上お金がないんだもの。新参者のヤクザ、表向きの仕事もないアタシは収入もないからバイトで溜めた貯金だけ。
シャオリンは出会いが壮絶だったから一緒に住むことを勧めたんだけど、丁寧に断られちゃった。
柔らかい笑みを浮かべて「帰らないといけない場所があるから」って、一緒に住んでいたのは彼が回復するまでの間だけだった。
「……あんただけなら入っていい。ただし騒ぐなよ?」
ドアの向こうからの返事がなくて致し方なく足を振り上げた時だった、ゆっくりと少しだけ開いて正体不明の彼が睨みつけてきたわ。
振り上げられたアタシの足を見た彼が「マジかよ、恐ろしいカマだぜ」って呟いたの、ちゃーんと聞こえてるんだから。
「騒ぐようなことなの?顔面蒼白で意識がなかったって聞いたけど、医者に診せなくていいの?」
「あぁ、こっちの医者じゃ無理だ。まぁ、私が処置したから回復に向かいつつある。私は口止めをされちまってるからな、詳しくはあいつに直接聞いてくれ」
目立った外傷もなかったし血を流していたこともなかったってイチカから聞いたけど。そんなに悪いの?
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