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ハートビート
8P
しおりを挟むシャオリンはあれから、少しずつだけど普通に食事できるようになっていているんだって。料理はしないからもっぱらコンビニ食だけど、すごい進歩。
シャオリンは「ありがと、後で食べるよ」と微笑みペットボトルの水を差し出す。そうね、急須で淹れたお茶なんかは出せないものね。
「これがバレンタインのプレゼントだったら嬉しさ倍増だったのになぁ。いや、今でももちろんすごく嬉しいよ?」
「いいわ、次のバレンタインには手作りチョコをあげる。言いたいことはわかってるわよ。本命じゃないとって言うんでしょ?」
「本命をもらえる人が羨ましいなぁ」
「本命は、もらってくれないわよ。きっと…………というか、今はそれ考えたくないわ」
本命のバレンタインチョコなんて、ノルにあげたいに決まってる。でもね、今に限っては作っても下剤入りを食わせたい思いよ。
アタシの体から殺意がにじみ出ちゃってる?何かを悟ったシャオリンは、嫌な予感を抱きながらも話を本命に戻す。
「で、昨日は何があったわけ?イチカちゃんから電話があったんだけどさ、すごい怯えていて話にならなかったんだ。散歩から帰ってきたら怖い顔で、何も言わないで部屋に入ったらそのまま寝ちゃったって。声をかけたら殺されそうなくらい怖かったって言ってたよ?」
「いつもの散歩で公園に寄ったの。あの兄弟と遊んだわ」
アタシ、昨日の散歩から帰ってくる途中で意識がどっか行っちゃったみたい。家に帰ったのもベッドに横になったのも記憶にないから、無意識ね。
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