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チャイニーズアフェクション
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しおりを挟む「ホント、ずっとこうしたかったんだ。白状すると、実は組織に入って出会った時から気になっていたんだし。君をネコとしてどう開発しようか、毎日想像するのが楽しいんだよ」
それを世間一般では変態の妄想って言うんだよ!声に出しては言えなかった。
嬉しそうなんだ。本当に、心から嬉しそうに笑みを浮かべるギオの表情には嘘偽りがない。コイツが嘘偽りないとか、槍が降ってきそうだ。
それだけ本気で、シャオリンのことが好きなんだと私でもわかる。胸が、心臓部の奥が痛い。苦しい。
気が付くと私はまだ動く足で地を蹴っていた。体が動くまま、シャオリンの後ろで止まると頭を下げ、肩に噛みつく。
「いっ!せ、セイフォン……?な、何して……」
「シャオリンは私のものだ。誰にも渡さねーよ」
自分でもわからない。腕が使えないから噛んで引き寄せるとか、勢い任せだからシャオリンの肩に血がにじんだ。悪い。
こんな感情、人工知能のロボットごときが抱くものじゃない。シャオリンを愛しい、自分だけのものにしたいなんて有り得ない。
だが、これはどう考えても以前暇な時に人間について勉強していた“恋”の症状だ。
私はシャオリンのことが好き、なんだな。恋愛感情として、心から愛している。心なんてないはずだが。だが、これが現実だ。
「は……はは、あっははははははっ!これは面白い!機械が人間に恋をするなんて、まるで本物の人間のようだね、セイフォン」
「私だって混乱している。だが現に、コイツがリアを好きだと言った時もギオに唇を奪われた時も、ここが張り裂けそうだった。これが嫉妬と言うんだろ?」
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