アイデンティティ

繋げる想い

１５P

　驚いていたけど、ノルは「煽るな」と笑ってとびきり濃密なキスをしてくれる。

 
　身も心もとろけちゃいそうなくらい気持ちが良くて、キスだけで妊娠しそうな。男だから絶対に有り得ないけど。

 
「ん……これだけほぐれれば大丈夫だろ。さて、お待ちかねのこれを入れてやる。力を抜いてろよ？」


「変なこと言わな、あっ、あ……んん……あうぅっ、ふあぁ……苦し、ノル……っ」
 

　指を抜いて、硬くなり始めた竿に残りの白濁をまとわせる。オレがうなずくと腰を持ち上げ、ゆっくりゆっくり押し込んでいく。

 
　入れやすいっていうのはわかるけど、ものすごい見える！オレの中に、ノルの太い竿がどんどん入っていく。

 
　じっくり中をほぐしてくれたからほとんど痛くない。屋上で犯された時なんか一切触れずに一気に奥までだったし、それに比べれば。
 

　だけど苦しい。前は痛みが強すぎてわからなかったけど、今回は痛みがない分圧迫感がすごくて息が詰まるの。
 

　涙がにじんで、ノルが欲しくて手を伸ばす。彼の手がオレの手をつかみ指を絡めて、短く声を上げながらオレの求めに応じてくれる。
 

　何も言わなくても、見つめればキスをしてくれる。苦しさを紛らわせるように深く深く、何度も愛を交わす。
 

　奥まで入ったのか動きが止まり、ノルが見つめてくる。オレは「大丈夫よ、ノル」と微笑んだ。


「夢みたい。まさか、大好きなノルと恋人になってこんなことができるなんて。幸せよ、ノル。オレ、本当にノルに出会えてよかったわ」