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おまけ
8P
しおりを挟むアホだ。あと、今何時だと思ってんだ馬鹿野郎。あと、服を着ろ。ドアを開けるなり俺達を指さして絶叫したアホは上半身裸。
ドン引きしてしまっているシャオリンを背に庇って怒鳴ってやろうとして、その上半身に目が奪われた。
腕も胸も腹も、あちらこちらに縫った痕がいくつもある。大きいのだと50センチ近くあるが、胸から腹にかけて生々しいのが見える。
縫った痕だけじゃない。銃創や火傷の痕も体の正面、今見えているだけでも10か所以上はある。
シャオリンも見たな。息をのんで、けれど立ち上がって毛布をギオに投げつけた。
「ただのメンテナンスだって。修理もカスタマイズも全部僕が、メンテは毎日寝る前にやっているから」
「えぇー、じゃあなんでそんなに顔が赤いのかなぁ?僕達に告白された後だし、セイフォンの中に触れて意識しちゃったんじゃない?」
ナイスキャッチ。毛布を受け止めたギオは羽織ることもなく、歩み寄ってシャオリンの肩に毛布を掛ける。まったく、少しはまともに喋れないのかこの男は。
悔しそうに唇を噛んで真っ赤な顔をうつむかせていたシャオリンは、ヒュッと息を吸って顔を上げた。
「あんた達の本音を聞いた時から意識はしているよ。もう、答えも出ている。僕はどちらも選べない。できないよ。2人とも、僕にとってはかけがえのない存在なんだ」
組織にいた頃、心のない暗殺兵器になりかけていたシャオリンの心の支えになっていたのは私。同時に、面倒を見ていた師であるギオもそう。
その時からすでにギオが好意を抱いているなんて微塵も考えたことはなかったが。応急処置でシャオリンを抱いた話を聞いて彼の本心を知った。
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