ユキ・シオン

那月

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ぬくもりのなかで

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 熱が治まるまで抱きしめ、呼吸が落ち着くと何も言わず唇を重ねる。


 目が合えば「フッ」と笑って、力尽き横になろうとするシオンをベッドからはがした。抱き上げ、ベッドから降りた。


「悠一?」


「布団を洗って、天気も良くなったから天日干し。いや、こんなはずじゃなかったんだ。本当は一緒にベッドでゴロゴロして、シオンの怪我が治るまでは手を出さないようにって思っていたんだ」


 大人しくお姫様抱っこされて俺の首にしがみつくシオンを風呂場へ。寝る前にも洗ったのになぁ。


 汗をいっぱいかいたから頭から順に洗って。耳の中にお湯が入らないよう両手でふさいでギュッと目を閉じている姿に、思わずキス。


 顔を真っ赤にさせてデコピンで反撃とか、可愛すぎる。体も、痛くないように石鹸をつけた手で優しく洗って完璧。


 俺の体はやっぱりというか、シオンが「やりたい」って申し出て洗ってくれた。


 全身、一生懸命に。その姿とシオンが俺に触れているという刺激に滾ってしまうのはお約束で。強烈なデコピンをまた食らった。


 けれど渋々、手で握って「俺のせいだから」ってご奉仕してくれました。


 それから風呂から上がるとリビングのソファーに座らせ、新しい服を着せる。チュッと頬にキスをして、振り上げられた足から逃げるように俺は洗濯にとりかかった。


 散乱している服と汚れたシーツ、布団の2回に分けて洗濯機にかけ外に干す。


 台風レベルでドシャ降りだったのに雨が上がって、今では雲ひとつない快晴。これなら今日中に乾く。


 寝室を片付けてからリビングに戻ると、「落ち着いたら腹が減った」と、尻尾をユラユラさせながら冷蔵庫の前でヤンキー座りのシオン。


 時刻は午後になって2時間後になろうとしていた。驚きの元気さに年齢差を考えつつも、俺は「今日は何を作ってくれるんだ?」と抱きしめた。


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