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寿司パーティーと侵略者
3P
しおりを挟む引っ込めた手を伸ばして、悠一の手を上から掴んだ緋桜さん。そのまま、グッと悠一に怪しい唐揚げを突き返そうとする。
うーわ、見えた見えた。箸で穴を開けてその中にワサビを入れたらしい唐揚げが口元まで迫って、悠一の顔色が変わる。
緋桜さんと悠一はテーブルを挟んで向かいの席だから、テーブルの上で唐揚げが行ったり来たり。お互いが押し付け合って、香さんも店長も面白そうに見ているし。
でも悠一は怪力のライガーなんだし、緋桜さんの口に突っ込まれちまうのか。と思ったら。
「んんんんんんんんんんんんんんんんーーーーーーーーーーーーーーっ!!!!」
口いっぱいに、大量のワサビが入った特大唐揚げを突っ込まれてくぐもった叫び声をあげたのは、悠一。自業自得か。
でもどうして?勝者の緋桜さんに目を向けると、彼は「ふぅ」と手をヒラヒラ。内側が真っ赤だ。なるほど、力一杯握られて痛かったんだな。
ガタンッ!と跳び上がって台所のシンクで激しく咳き込んでいる悠一に指をさした緋桜さんは俺に一言。
「あんな大人になってはいけませんよ?」
「大丈夫ですよ。あれは大人じゃなくて、悪ガキなんで」
「ゴッホゴホゴホゴホッ!ちょっとシオン、聞こえてるぞっ!うぅ、ゲホッゴホッゴホッ、ウエェェッ……」
緋桜さんは勝ち誇った顔で、観戦していた2人は大爆笑。あれ?店長、車で来ているから飲まないって言っていたのにビール飲んでんじゃん。
目の下を赤くしてゲラゲラ笑いながら、グビグビ飲んでるんだが。酔いのまわりが早いなぁ。
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