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初めての
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しおりを挟むおぉ、びっくりした。どうやら悠一が、俺の腕に刺さっている注射器を見てしまったらしい。思わず叫んで、俺の肩にしがみついてきた。
メッチャ震えてるんですけど。そんなに怖いのか?小刻みに震えている振動が肩から伝わってきて、なんだか笑えた。
「フッ……クスクスクスクス、あはははっ」
「子猫ちゃんも、笑わないで。針がブレる。ストップ!そう、そのまま…………はい、もういいよ。ここをしばらく押さえてて」
医者のドクトルに睨まれて、一旦我慢。針が抜かれて、瞬時にパッチを貼って押さえた。うん、痛くねぇな。
振り返ってみて超ビックリ。悠一の顔が真っ青。本気で怖いんだ。笑ってごめん。
明らかに、尋常でない恐怖を感じている悠一。小さい子供が注射を怖がるような、そんな単純なことじゃない。
俺の血液を小さい試験管に分けて何か作業をしているドクトルに背中を向け、俺は悠一の頭を撫でた。「よく頑張りました」って、優しく何度も撫でる。
すると震えが治まってきて。顔を上げた悠一がキスをしてきたので目を閉じて応じる。もちろん触れるだけ。ドクトルがピクッと反応したが、気にしない。
悠一が安心してくれるなら、悠一のために。大好きだよ。愛してる。もう大丈夫。
悠一の顔色も回復した頃に俺達はドクトルに別の部屋に案内され、そこでしばらく休憩するように言われた。
「急患が入ったから病院の方に行ってくる。1時間で戻ってくる、かも。悪いけどさぁ、この部屋からは絶対に出ないでね。今日はあの子がいるから。だからネコヤン、君を1人にしたくはなかったんだよ、たぶん」
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