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からみつく
10P
しおりを挟む無表情のソランさん。ドアを開けて悠一の顔を見た時にはあんなに嬉しそうだったのに、まるでカエルを睨むヘビ。
獲物である悠一を見つめる赤と紫の目は鋭く、ダランと下げられている手がピクッと動いた。
「あのあと、アレルギー反応の出ない薬を作っただろ。ドクトルに飲ませて、聞きたくもなかったエグイことをベラベラ自白してしばらくドクトルの顔を見るのも嫌になったからよく覚えているよ」
「あぁ、そうそう。で、今は緋桜と香さんから依頼された薬の開発に勤しんでいるんだって?」
「あれは………………できないって諦めるつもり。無理無理。オス同士で子供が作れるようになる薬なんて、天変地異だって」
あ、ソランさんが笑った。屈託のない、最初に見たような明るい笑顔。
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