ユキ・シオン

ハッピーバースデー

１７Ｐ

　――翌朝。シオンが静止画になった。ベッドの中で向かい合って、シオンが「んー」って目を覚ました時にあるものを見せたんだ。


　そしたら、しばらく寝起きで状況が呑み込めずにボケーっとしてて。俺と目が合うと嬉しそうにフニャッと笑う。視線を誘導して、それを凝視。で、静止画になっちゃったってわけ。


「俺の、生涯のパートナーになってくれると誓ってくれますか、ユキ・シオン？」


　見せたのは、白いリングケース。シオンの目が覚めたところでふたをカパッと開けて、中に入っているのは銀色の小さい指輪。


「…………え？なに、これ……本物？俺に？嘘…………悠一……？」


「サイズが合うか心配なんだ。嵌めて、確かめたいな。ねぇ、だめ？どう、シオン？」


「どうって。そんな。あぁ………………嬉しい。俺、猫屋敷悠一の、生涯のパートナーになる。なるよ、当たり前。誓う。悠一…………愛してるっ！」


　やっと理解したか。ニヤニヤが止まらない。


　これでもすっごい緊張したんだぞ？シオンとは恋人になれたし肉体関係も持てたし愛し合っている。けれど、恋人以上の関係にはなれないから。


　せめて、そうなりたいって意思表示で指輪を買った。結婚指輪。


　サイズは、実は昨日ヤりまくったあと、完全に潰れたシオンの指を測ってたんだよなぁ。それでこの街にあるジュエリーショップをネットで見つけて、予約していた。


　いつ取りに行ってたのかって？今朝事情を説明していた、とあるお方のとある分身様に代わりに取りに行ってもらっていました。


　現物を見ずに買ったから、不安だ。サイズは合っていると思うんだけどな。無地の、シンプルな銀のリング。