376 / 756
人間、よろしく
6P
しおりを挟む金銭的な余裕?というか、やっぱりこの家に1人で暮らしてんのかよ。よくわからねぇけどますます、この男のことを知りたくなった。
だから悪いけど、緋桜さんには「今回は帰ってくれ」と目で訴えかけようとしたら。
「人間風情が。………………俺はあなたではない、この子に言っているんス。何があって猫屋敷さんの元を去ったのかは俺にはわかりませんが、君は今すぐ帰るべきだ。俺は猫屋敷さんや香さんに頼まれたからじゃない、俺の意思で君を探した。俺達ではどうにもならない、彼と深くつながっている君じゃないといけないから」
ほんの一瞬、聞いたこともない緋桜さんの唸り声が聞こえた。
男を見下す無表情の中に光る赤い瞳は氷、ドライアイスくらいに冷たく怖い。あんな目で見つめられたら、男は「あっ」と震えあがる。
その声で我に返ったんだろう。ハッとして緋桜さんは目を反らし、視線を落として俺を見つめる。いつもの、柔らかい無表情。
緋桜さんも、人間をあまり良くは思っていない。そう感じた。そう感じさせるほどの闇を、真紅の中に感じた。
緋桜さんの威嚇で怯んだまま動けないでいる男の横に1歩踏み出して、しゃがむ。緋桜さんは「帰りましょう」と、俺に大きな手を差し伸べる。
ただならぬ気配を感じる。俺じゃないといけないって、悠一に何かあったのか?そうであってほしくないって願っていたのに。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
寮生活のイジメ【社会人版】
ポコたん
BL
田舎から出てきた真面目な社会人が先輩社員に性的イジメされそのあと仕返しをする創作BL小説
【この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。】
全四話
毎週日曜日の正午に一話ずつ公開
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
野球部のマネージャーの僕
守 秀斗
BL
僕は高校の野球部のマネージャーをしている。そして、お目当ては島谷先輩。でも、告白しようか迷っていたところ、ある日、他の部員の石川先輩に押し倒されてしまったんだけど……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる