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天才小説家、高台寺笑也
4P
しおりを挟む笑也、たぶん俺がまだ悠一に片思い中だって思ってるだろ?違うからな。俺と悠一はもう恋人だし、心も体も深く繋がってんだ。
だんだん、笑也の癖がわかってきたぞ。こいつ、すんげぇ妄想癖だ。いや、妄想暴走癖。
緋桜さんが来た時だって緋桜さんを「悪党」呼ばわりしていたし。俺が複数人に虐待されてたとか妄想して、その妄想を勝手に膨らませて暴走してさ。
あれだ。2次元のファンタジー系の小説を書いてるから、想像力が普通の人よりも飛び抜けすぎているんだな、きっと。
「早く見つけて、告白すればいくら歳の差があっても落ちるだろ。シオンさんは綺麗で可愛いんだし。……って、明るく笑ってなんていられない状況だったな。悪い」
ん?なんかサラッと褒められた?「綺麗で可愛い」って、悠一以外にもよく言われるけどさ。そんなにか?俺、そんなに男をそそる容姿してんのか?
そういえば大学の女子達からも、人気はあった。だがいつも「格好いい」じゃなくて、「可愛い!」ってキャッキャ騒がれてたんだよなぁ。
そういうの、男としてちょっと、うーんモヤモヤする。お、俺だって格好いいって言われたいっ!
そんなことを、心の中で拳を握り締めていたら。笑也が空気を変えた。アホまる出しの変態テンションマックスだったのに、一気にトーンダウンして目を反らす。
「必ず見つける。そのために俺は、俺が知らない悠一を見つけねぇとならない。悠一がなくした大事なものも見つけて、もう2度と無くさねぇように俺がそばで見張る。コレ」
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