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天才小説家、高台寺笑也
11P
しおりを挟む「今から2人でデートなんでしょ?笑也、あーんなすっごく情熱的でエッチィBL小説を書くくせにリアルでは女相手でも恋はしないって言ってたのに。まさかこんな可愛い、すっごく可愛い恋人を作ってただなんて」
そう言って、俺の手の甲を撫でる担当さん改め、月野木さん。俺と笑也が何も言わないのを良いことにさらに話を続ける。
「本当はシオン君、昨日から泊ってるんでしょ?もしかして初夜だった?そういうことがないと、その服、笑也の服なんて着ないでしょ?」
俺と笑也、思考停止。俺も笑也も俺の服を見て、顔を上げるとお互いを見つめる。
あ。俺、服がねぇから笑也の着てるんだった。そんで、ほぼ毎日会ってるから月野木さんはこの服が笑也のだって知ってる。それで……
「このシャツの下には赤いお花がいっぱい咲き誇ってるんじゃなーいの?うふふふっ」
あぁ、この人も妄想が暴走してる。月野木さんとは反対側の俺の隣に座った笑也と、同時にどういうことなのかを理解。そしたらグンッ!と後ろに引っ張られて。
気づいたら俺、月野木さんの腕の中。指を引っかけている俺のシャツの襟をグイッと引き下げて覗き込むもんだから、俺は悲鳴を上げた。
驚きも羞恥も許容量を一気に超えて、危うく白猫の耳と尻尾が飛び出ちまうかと思ったぜ。
「や、やめろよ変態っ!!お、俺達はそんなんじゃねぇっ!!断じて、有り得ねぇっ!おっ……俺、俺は、この体も心も全部、悠一のなんだからなッ!!」
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