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天才小説家、高台寺笑也
19P
しおりを挟む「えっ。いや、まぁ、ちょっとだけだし。からかっただけだし。惚れたわけじゃないし。シオンさんのことは可愛いし、友達として好きだけどな」
「そりゃどーも。つか、このあたりの土地勘がねぇからナビ頼むな?いくぜっ」
一瞬、ドキッとした。笑也が俺のこと、恋愛の方で好きじゃねぇってのは当然わかってんのに。俺の腹に回された手が、背中に密着してきた体が、「好き」と囁くと共に耳にかかる熱い吐息が。
無駄に意識してしまう。俺は悠一の恋人、悠一のことが大好き。愛しているのに。
笑也と話をしていたら、悠一のことがあんまり気にならなかったというか。いや、悠一のことは心配だし、気が気じゃねぇくらい不安だぜ?
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出会って間もなく友達、から親友になった。高台寺笑也。17歳、高校生でありながら作家として仕事をしている。年齢指定のつくBL小説をいくつも書いている、超売れっ子天才作家。
あぁあと、おじいさんが擬人化種だからか動物の気持ちがわかるんだったな。それから、笑也はただの人間。
市役所に向かって、事情を緋桜さんに話したら俺はある場所に行く。そこに行くには緋桜さんか香さんの許可がいるから、相談するつもり。
だってこっちにはただの人間の笑也がいるから。笑也には、ある程度は話しておくぜ?
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