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奪う
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しおりを挟む「ほとんど話しておるではないか。シオン君。いくら心許せる仲じゃとは言っても、これからはそう簡単に話すでないぞ?人間は簡単に嘘を吐く、騙す生き物なのじゃからな」
そう言って、やっとリビングへと案内してくれた。それは俺に、そして笑也にも向けられた言葉。
ソファーに座らせてもらえばスッと緋桜さんがお茶を出してくれて。唇を噛みしめる笑也を、俺は庇わない。だって香さんが言ったことは事実だから、笑也にもわかってほしい。
「きっと。いや必ず、真藤香さんに認めてもらえるようになる。なにせ俺は腐を愛する天才小説家。シオンさんの親友だからな」
「一言多い。わしのことは下の名前でよいぞ。で、シオン君。ネコヤン君のことじゃが……――」
ガラス張りのテーブルを挟んで向かいの椅子に座った香さん。笑也のことを認めたわけじゃねぇけど、俺達が言った「親友」って言葉は信じてくれたみたいだな。
隣に無表情の緋桜さんを、まるで家臣のように侍らせて悠一のことを話してくれた。
保健室で俺が襲われた、あの時の悠一の変化を香さんは察知して。俺が逃げ出した直後に悠一を回収した。
力の制御が効かなくなって本来のライガーの姿に戻っちまって研究所に収容。そこで、香さんが昔のように悠一のあふれ出る魅了の力を吸収。
けど吸収しきれずに心奪われ、ヤバくなった香さんを緋桜さんが回収。悠一は、香さんの頑張りのおかげでに擬人化できるまでに回復。
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