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奪う
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しおりを挟む悠一にも早く会わせたい。こんな人間もいるんだって、きっと良い友達になれる。友達というか、小説のネタ?
笑也の記憶と心を読んで、こいつがどんなやつなのかは香さんもわかったはず。緋桜さんとの関係、隠そうとしてももうすでにそんな気配を察知しているぜ?
緋桜さんの絶対服従だけれど夜には形勢逆転しそうな雰囲気とか、笑也ならすぐに鋭い勘を巡らせるんだろうな。市長と秘書とか、よくある組み合わせだし?
べ、別にそういう本を読んだことがあるわけじゃねぇけどさ。2人の関係を知っているからか、そういう雰囲気がわかりやすい気がする。
なんて考えていたら、香さんが立ち上がった。目を合わせた緋桜さんも立ち上がって、無言で部屋を出る。え、外に行った?
「良い目をしておるのぅ。わしはこの街を手始めに、人間と擬人化種がお互いを認め合い共存できる未来を夢見ておる。現実にすべく市長になった。おぬしとシオン君との出会いは、その夢の実現に大いに影響するであろう」
「友達に、親友に人種も種族も関係ない。大事なのは心だ。って、じいちゃんが言ってました」
「フッ、君のおじいさんに会ってみたかったな。…………気に入った。シオン君、笑也君、研究所まで一緒に行こう。研究所内を手分けして探すぞ、ついてきなさい」
「「ありがとうございます!」」
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