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本当の愛
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しおりを挟む「は、早く悠一を助けて、早く帰るぞっ!まったく、こんな時にやめろよな。………………この扉の向こうに、きっと悠一がいる。ソランさんも、間違いなく待ち受けている。覚悟は良いか?」
「正直、怖い。けどさ、シオンさんが愛する人がどんな人なのか興味がある。それ以上に、その何倍も強く、もうこれ以上シオンさんの悲しそうな顔を見たくないんだ。だから、ネコヤンさんを助ける。言っとくが、シオンさんに惚れているとかじゃないからな。親友だから、命を懸けてでも力になりたい。さぁ、行こう」
否定してもそれは、誰がどう聞いても告白にしか聞こえない。
ドアノブにかけた俺の手の上に手の平を重ねて、真剣な顔でそんなことを言われたら誰だってそう思うだろ?ドアノブはキンキンに冷えているのに、一気に熱くなった。
手の平がじんわり汗ばんじまうほどなのに。笑也が言っていることは事実であり恋愛感情が含まれてないと、確信を持てる顔。
だって笑也は全く顔が赤くなっていない。本当に純粋に、親友だから。って、スゲェよな。
すごすぎて、笑えた。「クスクスッ」笑って、力が抜けた。あぁ行こう。俺と笑也はうなずき合って、扉に向き直る。
悠一を助け出すのは、悠一の協力無くしてはできない。俺はただの白猫だし、力も弱い。俺を直也から救ってくれた悠一の、カースト2位の力。
相手がソランさんだから、何か思うところがあって本気で抵抗しなかったんだろ?優しいからな、悠一も、ソランさんも。
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