447 / 756
本当の愛
7P
しおりを挟む「嘘だッ!!そんなのはあんたの妄想だ、デタラメだ!無理矢理拉致して、自由を奪って、服従させる薬でも盛ったんだろ。そんな中で好きだの愛してるだの、まやかしだっ!」
「なら、本人に聞いてみようか?奥の部屋で寝てるから、連れてきてあげる」
俺の心を掻き乱してやろうって魂胆だろ?そんなデタラメ、俺には効かねぇからな。って冷静に言ってやろうと思ったのに。
もう、心臓が爆発して壊れそうだ。バクバク爆音を轟かせて、ソランさんが言ったことが嘘だって思えねぇんだ。
だってソランさんは自信満々、事実だから勝ち誇った顔で言い切った。笑也も、嘘だとは思えなかったみたいで手が震えている。
言い返すことができず、ソランさんは診察台から降りると奥の部屋へと消えて行った。
奥の部屋から悠一の匂いが漂ってきた。フワッと、数日しか離れていなかったのに懐かしい匂い。でも、あんまり好きじゃない匂い。
俺のことを「好きだー」って甘い、身も心もとろけるような甘い匂いじゃなくて。それはまるで何年も薬品付けにされた標本のような。
悠一、ホルマリン漬けにされちまったのか?なんて考えることはできず、俺の足は動く。
駆け出し、開かれた扉をくぐって奥の部屋へ。飛び込むと、悠一とソランさんがいた。ベッドから起き上がったばかりの、上半身裸の悠一にソランさんが抱き着いている。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
23
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる