ユキ・シオン

光

２P

　これは、シオンだ。シオンの中にある怒りと、寂しさと、喜び。感情が伝わってくる。その流れに乗ってこれは……記憶？


　今まで一緒に過ごしたシオンとの記憶が、写真のアルバムのように次々と見える。そうかこれは、シオンの中にある俺の記憶。


　俺達の記憶。かけがえのない思い出。出会いは最悪だったけどさ、色んなことがあったんだなぁって。今はそんなのんびり構えてられないんだが。


　強く抱きしめているシオンの体の、密着しているところから伝わってくる想い。まだ出会って１年も経っていないのに、懐かしい思い出を感じていると。


　今度は熱い炎の塊、のような感情。今までシオンが感じた、俺がシオンにぶつけた俺のシオンへの想い。


　好きだ、愛している、可愛いはもちろん。人間としても白猫としても綺麗で、手先が器用で、体が柔らかいとか。髪が細くサラサラですぐに触りたくなる。料理は美味いし家事は完璧だし、喧嘩してもすぐに仲直りできる。


　それから、体の相性がいい。抜群に良い。シオンが好きなところも嫌いなところも全部わかる。白い肌がピンクに染まって、甘ったるい匂いをまとって俺に襲いかかる。


　俺がシオンを抱いているはずが、俺がシオンに抱かされているような錯覚に陥る。可愛がって、ちょっとからかってやれば指を絡めて握った手に力が入って。ナカも、ギューッて締め付けてきて俺を離すまいとする。