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終息と誓い
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しおりを挟む「なんだよそれ、欲があるのかないのかよくわかんねぇな」
「金が欲しいってわけじゃない、有名人になりたいってわけじゃない。ただ、たまに贅沢できるくらい余裕のある金を持って、1人で生きていければそれでいい」
「……そーかよ、売れっ子BL作家さんは仕事が恋人ってか?」
「恋愛ものは書くけどな、俺自身はしない。面倒だ。俺の代わりに俺の子供達が恋愛して、辛い思いもして、幸せになっていくんだ」
笑也、ずっとパーカーのヒモをいじってんな。俺の方を見ようとしない。
感じるんだよな、壁を。親友だって言ってくれたのに。笑也の態度が、言葉が俺との間に透明で頑丈な壁を作る。
まだ17歳のくせになに不自由ないくらいの金を自分で稼いで、身の回りのことも自分でやって。そうしてずっと、きっと死ぬまで1人でいると自分で決めているんだと思う。
固い決意が、俺にはわかる。知りたいな。何が笑也をそうさせるのか。何が笑也に、こんなにも辛そうな顔をさせているのか。
「なぁ笑也。今度さ、俺んちに遊びに来いよ。なんなら1日泊まってってもいい。俺の手料理を食わせたい」
「ハハッ。泊まったら2人の情事を覗きたくなっちまうだろ。俺に見せつけるプレイとかするのか?それなら高性能録画機器持って行くぜ、って…………シオンさん、何か企んでるだろ?」
パーカーのヒモをくくったりほどいたりしながら軽く笑った笑也が、チラッと目を向けてきた。瞬間、目を見開いて笑顔が消えた。
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