ユキ・シオン

那月

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さがしています

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 店長の話を鵜呑みにして男の話を信じるなら。すぐに気づけなかったとはいえ、男は2匹を虐待していたわけではないしむしろ最悪な彼女と別れて心配している。
 

 男が今でもポチを家族として愛しているなら、もしも男が本当にポチを心から愛しているなら。擬人化種だと知っても、受け入れてくれるかもしれない。

 
 だがそうなれば、きっとポチは尻尾を振って男の腕の中に飛び込む。大好きな飼い主とまた一緒に暮らして、ハッピーエンド。

 
 でも、ドクトルは?ただの医者と患者、保護者と保護犬だけの関係じゃないはずだ。

 
 短い間でも家族も同然に一緒に暮らして、性的に襲われることもまぁあるらしい駿は男の腕の中に飛び込んで。そして不安そうに後ろのドクトルを振り返るんだ。

 
 簡単に手を離してしまったドクトルは、駿の幸せを願って離れる。簡単に「さよなら」って言っちまうんだ。

 
 ……なんて、全部俺の想像だけどな。男が良い人間だったら、きっとそうなる。ドクトルには執着がないというか……なんっていうか、愛を感じられねぇんだよな。

 
 まるで情が湧くのを避けるみたいっていうかさ。ソランさんは監視対象だから例外みたいだが。いっつもヘラヘラ変態ドクトルでいるのは、近づいて来ないようにさせている感じがする。わざと、好感度を下げている。

 
「シオン、難しい顔をしているぞ。シオンがその男を信じるなら、きっと良い方に話が進むさ」

 
「そりゃあ信じたいぜ。なんならその男を駿に会わせるの、俺も立ち会って本当に信用できる男かジャッジしたいくらいだぜ」

 
「シオン君が信じればって、影響力ありすぎでしょ。……まぁ、この件は明日にでもクソドクトルに電話で聞いてみるわ」

 
 ずっと身を乗り出していた店長が写真をポケットに戻して、イスに深く座り直すと大きく息を吐いた。


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