恋人以上、永遠の主人

那月

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ハーメルンのホラ吹き

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 あたし達は何事もなかったかのように、ってこともないけど。豊かすぎる胸を潰して呻いている女に向き直った。


「さて、お待たせ。自白すれば気持ち悪い思いをしなくて済むわよ?全部しゃべっちゃうか、マクベスに心の中隅々まで探られて暴露されるか選びなさい?」


「マクベス……へぇ、そう。あなた達が名高い永久の鬼追いなのねぇ。ふぅーん、背も高いし顔も綺麗。いいわぁ、あなたが今晩一緒に寝てくれるっていうんならしゃべってあげる」


「今晩?悪いけど俺、いつもナツメと一緒に寝てるから。充電しなきゃいけないし」


「いつも、充電って。あなた達ってすでにそぉいう関係なのねぇ。残念だわぁ……っ!?」


 苦しそうながら口元に笑みを浮かべてネチッこくしゃべる女は、マクベスを見上げて舌なめずりをした。とんだエロ女ね。


 危なかったわねお兄ちゃん。ナンパしてリードしているつもりでも、実は女の術中にはまって戻れなくなるところだったわよ。あたし達に感謝なさい。


 今にも蛇みたいに舌が伸びてマクベスの足に巻き付きそう、な感じ。だけどマクベスのピュアなノロケ言葉にキョトンと笑みが崩れ、艶やかな溜め息を吐いた。


 本当のこと言っちゃったわよ、マクベス。ティンさんも「本当なの?」って驚いた顔を向けるのヤメテ。


 自白しそうにないし、あたしが「お願い」って囁くとマクベスは左手で女の頭をつかんだ。わしづかみ。目を閉じて意識を集中して、記憶を読み取り心の中を探る。


 ふとした時に悟られたり、今何を考えているのかぐらいを悟られるのはほとんど負担にはならない。


 でも、こうしてガッツリさぐられるとものすっごく気持ち悪いのよ。頭の中をグルグルかき回されるみたいで吐きそうになるくらい。


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