216 / 268
酒吞童子と茨木童子
10P
しおりを挟む「マクベス、ナツメ、お前達は先を急ぎなさい。ここは私とこの――おぉ、名前を付けてやらんとな。酒吞童子の子よ?」
「うっへぇ。名付け親が親父の宿敵だった安倍晴明とか勘弁してくれよ。そうだな、格好いい名前なら何でもいいぜ」
「では“ナナシ”にしよう。名が無いから名無し、ナナシだ。うむ、これはいいな。これナナシ、こいつらは片目がない、死角を狙っていきなさい」
「だっせぇ!刀のくせに指図すんじゃねぇよ!俺に力だけくれればそれで……おっと……!」
すごいわ、この……ナナシ君?鬼化している右手と晴明様の魂が変身した刀で、酒呑童子と茨木童子と同等に渡り合ってる。
ナナシ君自身の力が膨れ上がっているのを感じるの。晴明様の力が彼の中に流れ込み、融合して彼の力になっている。まるであたしとマクベスみたいに。
この子、本当に酒呑童子の子供なの?だとしたらあのビルでミチカさんのお腹を引き裂いて生まれてきた、あの子よね?
鬼だから?いくらなんでも成長が早すぎるわよ。とは言っても鬼化している腕は酒呑童子のそれとそっくりだし、髪の毛は黒地に赤のメッシュ、瞳は右が銀で左がミチカさんと同じ茶色。
顔の感じもバランスよく2人のいいとこ取りしちゃってる感じ。そう、ナナシ君は人間と鬼のハーフなのよね。
生まれた時はまるっきり小童子だったのに。今は超急成長を遂げて知性と理性と個性を身に着け、なぜだか知らないけどあたし達の味方をしてる。
というかどうして晴明様と一緒に!?そこが1番の謎だわ。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
4
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる