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変身
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しおりを挟む「はァ…………こっちの方が体が楽だ、ねェ」
今あたし達の目の前に立っている羅刹は神そのもの。目に見えるほどの神々しいオーラを全身から放ち、圧倒的な力がプレッシャーの波となって襲いかかる。
羅刹の額からは鬼のような3本の白い角が生え、背中側には8枚の羽根のような刃物のようなものがフワフワ浮いている。
浮いているといえば、羅刹自身も地に足がついていないんだけど。これが神の姿だっていうの?
「もーおォォォ付き合ってらんないからすぐに殺してあげるよォ。そこでガァタガタ怯えている、邪魔なワタシの目と一緒に、ねェッ!!」
スッと前に出した右手を軽く振ると、背中の8枚の羽根が前に出てきて螺旋を描く。
やがてそれは巨大な竜巻と化してあたし達に襲いかかった。気流で引き込まれ、一気に体中を斬りつけられる。まるでミキサーの中みたいに。
そして直後に大きな衝撃波の追撃。直撃したナナシ君は派手に吹き飛ばされ、壁に大きなクレーターができるほど勢いよく背中を打ち付け倒れた。
未だに竜巻の中から脱出できないマクベスはなぜか落ち着いていて、大きく息を吸うと一言「ごめん」と呟いてあたしを弾き出した!?
急にあたしを拒否したの。鬼斬り丸の姿を保持できなくて、人間の姿になって無様に床を転がったわ。
「一体何のつもりよ、マクベ――」
「あとは俺がやる。ごめんねナツメ。俺、鬼じゃないから約束を守れない。勝手に決めた俺を許してくれなくていいから、最期までナツメを愛して果てる俺を許して」
マクベスから弾かれるように竜巻が、霧散。何をしたの?
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