惰眠童子と呼ばれた鬼

那月

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死神の神那

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 デコピンした時に思い出したんだが。そういえばあの時、キツネは家に転がり込んで俺を見つけた途端に「助けてくれぇッ!!」と叫んだんだ。


 しかも、バッ!と起き上がって突進。俺の腹にキツネの白い頭がめり込もうとしたものだから、俺は「嫌だ面倒くさい」と、避けた。


 結果、キツネは俺の後ろの壁に頭突きを決めて。まぁ見事に、首まで壁にめり込んでいたな。


 抜けなくなって暴れているうちに女が追い付いて。女は俺に驚くどころか、キツネに夢中で見えていないのか完全にスルー。


 俺の家の中でさらに暴れてメチャクチャにされるのは嫌だし、キツネが女に捕まって毛皮にされれば部屋の中が赤いモザイク状態になるので気分が悪くなる。


 そういった理由で、女を締め出した。あの時の女はそこらの獰猛な獣よりも獣だったな。そんな獣女をどうやって追い出したのかは、まぁどうでもいい。思い出すのも面倒だ。


 俺が自分のためにしたことでも、キツネにとっては自分を助けてくれたことになる。つまり、勘違いだな。


 なのに俺に忠誠を誓って、従順な下僕になったというわけだ。俺はいつも寝ているし、起きていれば好きなようにこき使ってやるから、少しは後悔していると言っていたな。


 俺も女は嫌いだ。特に人間の女は1番嫌いだな。俺は結構な年月を生きてきたが、これほどにも面倒臭い生き物がいるのかと驚かされる。


 目の前で苦笑いを浮かべるこの女も、苦手だ。面倒臭いしうるさい。


 生まれながらの性格だろうが、無駄に明るく身勝手で図々しい。人の家に勝手に上がり込むは、俺を鬼だと知っておきながら叩き起こすは、挙句の果てにこの俺に仕事をさせようとするし。


 あぁ本当に、起こされた時の彼女の力はとても人間の女とは思えないほどに力強かった。ムエタイでもやっているんじゃないか?


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