2 / 5
第二話
しおりを挟む俺とまっしーが出会ったのは陸上練習だった。
ウチは小規模校で、中体連の陸上大会には全部活生から足の速い連中が招集されて、挑む形になる。
なので、夏の時期は朝早くに部活生は陸上練習をこなしてから各部活動に行く…というなかなかハードなスケジュールとなる。
何回かの記録会の後に、大会に挑むメンツがある程度固まると一般の部活生は部活動に専念し、選抜メンバーは部活を休み陸上練習に専念する形になる。
俺はバドミントン部でバドは弱いんだけど足だけは速かったから、3年間ずっと陸上メンバーだった。
正直合法的に部活をサボれる陸上は俺にはありがたい存在だったし、得意な事で勝負できるのは気持ちよかった。
まっしーはサッカー部で、ぶっちゃけると不良だった。
サッカー部自体が不良の集まりみたいなところもあって、3年間教師にバレずにいたけどタバコとかお酒を飲んでるのは俺でも知ってた。
まっしーは体格もデカくて、他校の生徒に喧嘩に勝ったとか、先生とケンカしたとかいろんな噂を耳にするちょっとワルなとこがカッコいい俺の憧れの存在だった。
3年生になるまで、クラスが被ることはなかったが彼と接点を持てたのは陸上練習だった。
まっしーはサッカーはよくサボるくせに陸上は欠かさずきてた。
どういうつもりかわからないが、なんとなく俺もまっしーが感じでた心地よさはわかる気がする。朝のキリッとした爽やかな空気の中走るのは気持ちよく、部活ほどの上下の締め付けもない。
学年や部活の括りなく先輩や後輩、先生や顧問と柔軟したり走ったり話したりするのは楽しかった。
「お前、3組の間島だろ?」
初めてまっしーに声をかけてもらったのは俺が中1の時、陸上でリレーメンバーに選ばれたからだった。
各学年の1番陸上メンバーの中で足が速い4人がメンバーに選ばれる。俺はそれをずっと目指していた。だってまっしーがそのメンバーの中にいたから…4人の中では1番おれが遅かったんだけど。ぅゎ、俺…四天王の中で最弱!?
閑話休題
「う、うん!そうだよまっしー!」
よろしくねと思わず赤面しながら言う。
しまった!いきなりまっしーって呼んでしまった!将司くんって名前で呼ばないと!
誰がつけたか『まっしー』は不良で有名な島本将司のあだ名で後輩も先輩もある意味少しの畏怖をこめてまっしーと呼んでいた気がする。
ギャルい先輩が甘えた声でまっしー♡って呼ぶ糖度の高い響きに俺はもやもやとくすぐったい疼きのようなモノを感じていた。
(馴れ馴れしすぎたかな?!やばい言い直さなきゃ!でも今言い直すのも変だし…)
俺の葛藤とは裏腹にまっしーはニヤッと笑うと
「足引っ張んじゃねェぞ。」と俺に言った。
(かッッッッこよおおおおおっっっ!!!!)
俺の顔は一瞬で赤面沸騰して頭から湯気が吹き出ていた。釜爺もビックリだろうよ!
今の一瞬を切り取って何回も再生したい。今日家に帰って寝る前に何回も思い出そう。
まっしーは色黒でまつ毛が長い、髪はほんのり茶色がかかっていてふわふわとやわらかそうなのにツンツンだ。
あの頭をいつか触ってみたいと俺は常々思ってる、柔らかそうな見た目だけど男の髪だからどうなんだろう?女の子みたいなサラサラ感はないのかな?
そんでここが1番大事です!悪ガキのように意地悪くニヤリと笑うんだ。
俺はまっしーの表情で1番その顔が好きだった!
0
あなたにおすすめの小説
僕の幸せは
春夏
BL
【完結しました】
【エールいただきました。ありがとうございます】
【たくさんの“いいね”ありがとうございます】
【たくさんの方々に読んでいただけて本当に嬉しいです。ありがとうございます!】
恋人に捨てられた悠の心情。
話は別れから始まります。全編が悠の視点です。
白花の檻(はっかのおり)
AzureHaru
BL
その世界には、生まれながらに祝福を受けた者がいる。その祝福は人ならざるほどの美貌を与えられる。
その祝福によって、交わるはずのなかった2人の運命が交わり狂っていく。
この出会いは祝福か、或いは呪いか。
受け――リュシアン。
祝福を授かりながらも、決して傲慢ではなく、いつも穏やかに笑っている青年。
柔らかな白銀の髪、淡い光を湛えた瞳。人々が息を呑むほどの美しさを持つ。
攻め――アーヴィス。
リュシアンと同じく祝福を授かる。リュシアン以上に人の域を逸脱した容姿。
黒曜石のような瞳、彫刻のように整った顔立ち。
王国に名を轟かせる貴族であり、数々の功績を誇る英雄。
クズ彼氏にサヨナラして一途な攻めに告白される話
雨宮里玖
BL
密かに好きだった一条と成り行きで恋人同士になった真下。恋人になったはいいが、一条の態度は冷ややかで、真下は耐えきれずにこのことを塔矢に相談する。真下の事を一途に想っていた塔矢は一条に腹を立て、復讐を開始する——。
塔矢(21)攻。大学生&俳優業。一途に真下が好き。
真下(21)受。大学生。一条と恋人同士になるが早くも後悔。
一条廉(21)大学生。モテる。イケメン。真下のクズ彼氏。
君に二度、恋をした。
春夜夢
BL
十年前、初恋の幼なじみ・堂本遥は、何も告げずに春翔の前から突然姿を消した。
あれ以来、恋をすることもなく、淡々と生きてきた春翔。
――もう二度と会うこともないと思っていたのに。
大手広告代理店で働く春翔の前に、遥は今度は“役員”として現れる。
変わらぬ笑顔。けれど、彼の瞳は、かつてよりずっと強く、熱を帯びていた。
「逃がさないよ、春翔。今度こそ、お前の全部を手に入れるまで」
初恋、すれ違い、再会、そして執着。
“好き”だけでは乗り越えられなかった過去を乗り越えて、ふたりは本当の恋に辿り着けるのか――
すれ違い×再会×俺様攻め
十年越しに交錯する、切なくも甘い溺愛ラブストーリー、開幕。
【完結】番になれなくても
加賀ユカリ
BL
アルファに溺愛されるベータの話。
新木貴斗と天橋和樹は中学時代からの友人である。高校生となりアルファである貴斗とベータである和樹は、それぞれ別のクラスになったが、交流は続いていた。
和樹はこれまで貴斗から何度も告白されてきたが、その度に「自分はふさわしくない」と断ってきた。それでも貴斗からのアプローチは止まらなかった。
和樹が自分の気持ちに向き合おうとした時、二人の前に貴斗の運命の番が現れた──
新木貴斗(あらき たかと):アルファ。高校2年
天橋和樹(あまはし かずき):ベータ。高校2年
・オメガバースの独自設定があります
・ビッチング(ベータ→オメガ)はありません
・最終話まで執筆済みです(全12話)
・19時更新
※なろう、カクヨムにも掲載しています。
先輩のことが好きなのに、
未希かずは(Miki)
BL
生徒会長・鷹取要(たかとりかなめ)に憧れる上川陽汰(かみかわはるた)。密かに募る想いが通じて無事、恋人に。二人だけの秘密の恋は甘くて幸せ。だけど、少しずつ要との距離が開いていく。
何で? 先輩は僕のこと嫌いになったの?
切なさと純粋さが交錯する、青春の恋物語。
《美形✕平凡》のすれ違いの恋になります。
要(高3)生徒会長。スパダリだけど……。
陽汰(高2)書記。泣き虫だけど一生懸命。
夏目秋良(高2)副会長。陽汰の幼馴染。
5/30日に少しだけ順番を変えたりしました。内容は変わっていませんが、読み途中の方にはご迷惑をおかけしました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる