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第3話
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2年生の時も陸上でしか、接点がなかった。
まっしーとようやく同じクラスになれたのは3年生に上がってからだった。
まっしーはクラスの中でもやっぱり人気者で、休み時間になるとまっしーの周りには男子があつまって、バカ話やエロ話で盛り上がっていた。
俺はせっかくまっしーと同じクラスになったのに、全く喋れなくてモンモンとしていた。
「死ねよッ!!玉井クソがァ!!」
ブチギレたまっしーを見たのは昼の掃除の時間、同じクラスの玉井がふざけてまっしーのカバンに牛乳をかけた。
玉井はまっしーと仲がいい、机を頭の上に持ち上げて勢いよく玉井にぶん投げる鬼のようなまっしーに俺はショックを受けた。
「あんなケンカ親友の2人はよくある事だよ?」まっしーと同じクラスになったことがある友人曰くそう珍しい事ではないのらしいが、俺はドキドキと上昇した心拍を抑えるのに苦労した。
授業中眠そうにしてる顔、エッチな話をしてる顔。キレ散らかしたまっしーの怖い部分も含めて、知らないまっしーを知っていくことは俺にとって心からの幸せだった。
「なぁ間島ァ、お前字綺麗だよなノート貸してくんね?」
「う、うん!まっしーちょっと待ってて…」
(昔習字やっててよかった~!!)
何より些細な事でまっしーと接点が持てることが嬉しかった。カバンからノートを引っ張り出しながら見上げたまっしーの顔はやっぱり輝いて見えた。
3年に上がって新しい体育の先生として赴任してきた浅野先生は陸上にすごく精通している先生だった。
先生の指示のもとで、一度夏休み中にプール練習があったんだけど、男子更衣室で着替える時も俺はめちゃくちゃドキドキしてまっしーの方を見れなかった。
ガハハハと男子同士で笑い合う中俺は黙々と着替えていち早く更衣室を出て塩素で足の消毒をしてシャワーの水を頭から浴びた。
この火照りを鎮めて欲しかったからだ。更衣室から現れた生徒の中に一際デカいまっしーがいた。厚い胸板と日焼けした肌、しっかりと生え揃った脇。中学生とは思えない体のデカさに俺は圧倒された。お、おれだって部活で筋トレはしてるし陸上に参加してるからひょろひょろではない。
だけどまっしーに比べるとやっぱり子供の体型だと思い知らされた。
何よりエロ話でまっしーが高校生とかを相手にしてるなんてことは俺だって知ってる。
「間島ァ!こっちに投げろッ!」
「まっしー!わ…かった!!ハイっ!」
浅野先生はボールを使ったりウォーキングとか、プールでの一通りの練習の後、水球をして遊ぶ自由時間を設けてくれた。
「ま、まっしー!!ボール…とれた!」
「まっしー!な、げるよ!」
俺はひたすら泳いで、守備やフリーボールを拾ってはその度にまっしーにパスをしていた。
相手もそれを心得て、俺がボールを拾うとまっしーへのパスコースを塞ぎにきた。
(くそっ負けるか!まっしーの役にたつんだ!)
だったらと俺も自分で負けじと泳いでボールを運ぶ、前進する俺に釣られてまっしーのパスコースが開いた瞬間にボールを投げる。
まっしーはやっぱり肩の強さもすごくて、まるで大和の主砲のような剛腕でボールをゴールにたたきこむ。フェイントや水に跳ねたバウンドでゴールを決めたりと、運動神経の良さに俺はただ感心して憧れをつのらせるばかりだった。
練習も終わって、更衣室に向かう生徒が多い中、俺は楽しさの余韻に浸ってプールから上がらずにプカプカと浮いて遊んでいた。
肺いっぱいに空気を膨らませ、水面に漂うと上気した頬のあたりまで水に浸かり気持ちがいい。
「ーーぶふあっ!?えっなに!?」
唐突にぴゅっと顔に水をかけられバシャリと水をたてて起き上がり周囲を見渡す。
「ま、まっしー…」
そこにいたのはイタズラが成功したと言わんばかりに俺の好きなあのニヤリとした顔で笑うまっしー。
頬をリスみたいに膨らませ、いっぱいに水を溜めている。
「え、待ってまっしー今口の水を俺にかけたの?!汚いよ?」
怒ったまっしーは残りの水もビュッ俺に吹きかけるとヘッドロックをかけてきた。
「い、痛いよ!?まっしー!やめてよ!」
「うるせェ、黙れ!」
「ひ、ひどいよまっしー。」
ぐりぐりと締められたのちに解放される。
涙目で頭をかかえまっしーを見やると、ムッとした顔でこちらを見ていた。
「どうしたの?」
「なんでもねェ。」
まっしーはプールサイドまで運べと俺の背中にしがみついてきた。
俺はドキドキしながらまっしーを引っ張って泳いだ。
ヒョイっと勢いつけてプールサイドに上がったまっしー。
「うわわっ!」
手を伸ばして俺を引き上げてくれた。すごい力で持ち上げられ、俺はプールサイドにつんのめってしまう。
まっしーは手洗い場の上に乗せた濡れたタオルをピシャリと背中に背負うと
「ないすぷれー」
ボソッと呟いて更衣室に消えていった。
「なっ・・・・・!?」
俺はうずくまりその後、10分ほどその場からうごけなくなってしまった。
まっしーとようやく同じクラスになれたのは3年生に上がってからだった。
まっしーはクラスの中でもやっぱり人気者で、休み時間になるとまっしーの周りには男子があつまって、バカ話やエロ話で盛り上がっていた。
俺はせっかくまっしーと同じクラスになったのに、全く喋れなくてモンモンとしていた。
「死ねよッ!!玉井クソがァ!!」
ブチギレたまっしーを見たのは昼の掃除の時間、同じクラスの玉井がふざけてまっしーのカバンに牛乳をかけた。
玉井はまっしーと仲がいい、机を頭の上に持ち上げて勢いよく玉井にぶん投げる鬼のようなまっしーに俺はショックを受けた。
「あんなケンカ親友の2人はよくある事だよ?」まっしーと同じクラスになったことがある友人曰くそう珍しい事ではないのらしいが、俺はドキドキと上昇した心拍を抑えるのに苦労した。
授業中眠そうにしてる顔、エッチな話をしてる顔。キレ散らかしたまっしーの怖い部分も含めて、知らないまっしーを知っていくことは俺にとって心からの幸せだった。
「なぁ間島ァ、お前字綺麗だよなノート貸してくんね?」
「う、うん!まっしーちょっと待ってて…」
(昔習字やっててよかった~!!)
何より些細な事でまっしーと接点が持てることが嬉しかった。カバンからノートを引っ張り出しながら見上げたまっしーの顔はやっぱり輝いて見えた。
3年に上がって新しい体育の先生として赴任してきた浅野先生は陸上にすごく精通している先生だった。
先生の指示のもとで、一度夏休み中にプール練習があったんだけど、男子更衣室で着替える時も俺はめちゃくちゃドキドキしてまっしーの方を見れなかった。
ガハハハと男子同士で笑い合う中俺は黙々と着替えていち早く更衣室を出て塩素で足の消毒をしてシャワーの水を頭から浴びた。
この火照りを鎮めて欲しかったからだ。更衣室から現れた生徒の中に一際デカいまっしーがいた。厚い胸板と日焼けした肌、しっかりと生え揃った脇。中学生とは思えない体のデカさに俺は圧倒された。お、おれだって部活で筋トレはしてるし陸上に参加してるからひょろひょろではない。
だけどまっしーに比べるとやっぱり子供の体型だと思い知らされた。
何よりエロ話でまっしーが高校生とかを相手にしてるなんてことは俺だって知ってる。
「間島ァ!こっちに投げろッ!」
「まっしー!わ…かった!!ハイっ!」
浅野先生はボールを使ったりウォーキングとか、プールでの一通りの練習の後、水球をして遊ぶ自由時間を設けてくれた。
「ま、まっしー!!ボール…とれた!」
「まっしー!な、げるよ!」
俺はひたすら泳いで、守備やフリーボールを拾ってはその度にまっしーにパスをしていた。
相手もそれを心得て、俺がボールを拾うとまっしーへのパスコースを塞ぎにきた。
(くそっ負けるか!まっしーの役にたつんだ!)
だったらと俺も自分で負けじと泳いでボールを運ぶ、前進する俺に釣られてまっしーのパスコースが開いた瞬間にボールを投げる。
まっしーはやっぱり肩の強さもすごくて、まるで大和の主砲のような剛腕でボールをゴールにたたきこむ。フェイントや水に跳ねたバウンドでゴールを決めたりと、運動神経の良さに俺はただ感心して憧れをつのらせるばかりだった。
練習も終わって、更衣室に向かう生徒が多い中、俺は楽しさの余韻に浸ってプールから上がらずにプカプカと浮いて遊んでいた。
肺いっぱいに空気を膨らませ、水面に漂うと上気した頬のあたりまで水に浸かり気持ちがいい。
「ーーぶふあっ!?えっなに!?」
唐突にぴゅっと顔に水をかけられバシャリと水をたてて起き上がり周囲を見渡す。
「ま、まっしー…」
そこにいたのはイタズラが成功したと言わんばかりに俺の好きなあのニヤリとした顔で笑うまっしー。
頬をリスみたいに膨らませ、いっぱいに水を溜めている。
「え、待ってまっしー今口の水を俺にかけたの?!汚いよ?」
怒ったまっしーは残りの水もビュッ俺に吹きかけるとヘッドロックをかけてきた。
「い、痛いよ!?まっしー!やめてよ!」
「うるせェ、黙れ!」
「ひ、ひどいよまっしー。」
ぐりぐりと締められたのちに解放される。
涙目で頭をかかえまっしーを見やると、ムッとした顔でこちらを見ていた。
「どうしたの?」
「なんでもねェ。」
まっしーはプールサイドまで運べと俺の背中にしがみついてきた。
俺はドキドキしながらまっしーを引っ張って泳いだ。
ヒョイっと勢いつけてプールサイドに上がったまっしー。
「うわわっ!」
手を伸ばして俺を引き上げてくれた。すごい力で持ち上げられ、俺はプールサイドにつんのめってしまう。
まっしーは手洗い場の上に乗せた濡れたタオルをピシャリと背中に背負うと
「ないすぷれー」
ボソッと呟いて更衣室に消えていった。
「なっ・・・・・!?」
俺はうずくまりその後、10分ほどその場からうごけなくなってしまった。
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