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【2】パーティーでの騒動
32.壁際の会話と、二人分のワイン
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演奏が止んだ。私はエリオットの背中をさすった。
「でも、貴方は誰かから血を吸わないと。そして、私は貴方から血をもらう。今まで通り、ここで静かに暮らすにはそれしかないでしょう」
そう、今までの生活を続けるためには、各領地を治めている貴族をカミラの血の力で支配しなければいけない。それには、他の吸血鬼の血を使うよりも、力の強いカミラの血を使った方が効率的だ。そして、その力を維持するためには、カミラは人間の血を吸うよりも、同じ吸血鬼から吸血した方が良い。
ここでの暮らしを守るため、効率的に効率的にと私たちは行動している。
全ては『今まで通り』を維持するため。
「――今まで通り、の必要はあるのか?」
彼はつぶやくように言った。私は内心を読まれたようで、思わず「え?」と声に出した。
「じゃあ、他に何があるの?」
「もっと、別の暮らし方はないのかな、俺たち」
「別のって? ここに落ち着く前みたいに、各地を放浪するの? ハンターやらに追われながら?」
「それは――」
「あなたにも、また、できるわよ。サラみたいな存在が」
私は「ね」とエリオットの顔をのぞきこんだ。彼は目を合わせてくれなかった。
「兄さん」
その時、アーロンの声がした。ルシアとダンスの姿勢をとったまま、こちらに手を振っている。彼らの背後に赤毛の女の子がいて、こちらをチラチラ見ている。アーロンが以前「からかわれた」と言っていた、ルシアと同郷の女の子だ。エリオットと踊りたいということだろう。ルシアは私を確認して、ちょこんと会釈をした。
「あなたも、楽しみなさいよ、せっかくのパーティーなんだあら」
そう言って立ち去る私の背後からエリオットが言う。
「カミラ、またさ、話して、考えよう。みんなで、一緒に」
「そうね」
私は振り返らずに答えた。
この国で、今まで通りこのまま静かに暮らす以外に、カミラが生きて幸せになれるエンディングは思いつけなかった。
――だって、他に吸血鬼の私たちが平穏に暮らせる生き方がある?
また壁の花になる。寄りかかってため息をつくと、横からワイングラスが差し出された。
「どうぞ」とグラスを持つ、そのごつごつした手は、アーティの手だった。
「ありがとう」
お礼を言いながら受け取る。
「貴方は、本当にタイミングが良いわね」
この前と同じ、私が情緒不安定な時に姿を現してくれる。
苦笑すると、彼は困惑したように笑った。
「……タイミング、良いですか?」
「いいえ、ああ、でも普通に話せて良かったわ。連日、差し入れをありがとうね」
彼は毎日あのホットワインを差し入れしてくれていた。顔は直接合わせず、1回はエリオット、3回はコーデリアに託して。今、お祭り特製容器が4つ部屋に並んでいる。
先日森で私が彼を襲いかけて、丁寧に断られた経緯があるので、顔を合わせて普通に話せるか不安だったんだけど、何事もないように接してくれて良かった。
「気に入ってくださってたようなので、気晴らしにと思って。馬鹿の一つ覚えみたいですけれど」
「いいえ、嬉しかったわ」
私は彼をしげしげと見た。いつもの警備の服装と違って、きちんと正装をしている。濃緑の上下に、白いぴらぴらしたスカーフみたいなものを巻いている。このスカーフみたいなの何で巻くんだろうと思ったけど、アーティは体つきががっしりしているので、猛々しさにフェミニンさが加えられ、印象が柔らかくなったようで、なかなか映えていた。
「何ですか」
「素敵ね、衣装」
「父の古いものですけどね。俺はあんまり、こういう礼装は着ないので、自分のは持ってなくて」
私はくすりと笑った。気さくな人柄の、彼の父母を思い浮かべる。彼と彼らとのやりとりが想像できた。『あんたこれ着ていきなさい、お父さんの若いころの』『そうだぞ、父さんの勝負服だ』……みたいな。
アーティは笑いながら「はぁ」とため息をついた。
「警備の方に回るって言ったのに、親父もお袋もじいちゃんもばあちゃんも、団員の仲間もみんな出ろって言うんですよ。困っちゃいますよ」
「せっかく、パーティーに出てきたんだから、こんな壁際にいないで、踊ればいいのに――誰かを誘って」
私はフロアに視線を流した。アーロンとルシア、エリオットと赤毛の子が踊っている。アーロン、あなたルシアと何曲目?
ちらりとアーティを見る。
あれ? ゲームだと、ルシアを見たら≪番≫認定してアプローチしてなかったっけ。
「俺、ダンス下手だし。それに若い子ばかりじゃないですか」
「……あの子は?」
私はルシアを指さす。
「アーロン様と踊っている子ですか? ――とても、可愛らしくて、アーロン様とよくお似合いですね。お二人で踊っていると、絵本の挿絵のようです」
「それだけ?」
私は目を丸くした。ルシアと対面したら、自分から声をかけに行くと思ってたわ。
「どういう意味です?」
「いえ、その、あなたの――お相手として?」
彼は苦笑した。
「彼女、新成人でしょう。妹と同い年の子に、声なんかかけられないですよ」
「妹?」
アーティはほら、と指さした。私がさっき人間観察していた、意中の男の子を自ら誘った黄色のドレスの子だ。よく見れば、アーティと同じ茶色の髪に、焦げ茶の瞳で、顔が似ていた。あんなキャラいたっけ。
「3番目の妹です。今年16歳」
「……人狼族だから、ダンスが下手なわけじゃないのね」
彼の妹はくるくると華麗に踊っている。
人狼族はどちらかというと体育会系というか……、野性的な身体能力に特化していて、ダンスのような細かい芸術的な動きには向いていないイメージがあった。
アーティは面白そうに笑った。
「――カミラ様だってダンス、下手じゃないですか。吸血鬼なのに。意外でしたよ」
吸血鬼は寿命がないためか、時間があるので、芸術や文化に興味を持つ人が多い。あと貴族って言った方が食料になる人間が釣りやすいから、一般的に各地の貴族社会に紛れて生きていることが多い。だから、ダンスなどのその手の社交界の嗜みに造詣が深いことが多い。
個人差があるものね。何でも型にはめるのは、よくないわ。さっき自分が言った言葉がブーメランで返ってくる。
私は恥ずかしくなって、アーティをじろりと見た。
「さっき、私が踊ってたの――見てた?」
「エリオット様と話し込んでるみたいだったので、ちょっと……」
彼はぐいっとグラスのワインを飲みほして、床を見つめる。
――ちょっと、何よ。
彼の顔が赤いのは、酔っているからだろうか。
アーティは空になったワイングラスを見つめて、呟いた。
「……ワイン――もう一杯もらってきます」
私も手元のワインを飲みほした。
「私の分も、取ってきてもらっていい?」
「でも、貴方は誰かから血を吸わないと。そして、私は貴方から血をもらう。今まで通り、ここで静かに暮らすにはそれしかないでしょう」
そう、今までの生活を続けるためには、各領地を治めている貴族をカミラの血の力で支配しなければいけない。それには、他の吸血鬼の血を使うよりも、力の強いカミラの血を使った方が効率的だ。そして、その力を維持するためには、カミラは人間の血を吸うよりも、同じ吸血鬼から吸血した方が良い。
ここでの暮らしを守るため、効率的に効率的にと私たちは行動している。
全ては『今まで通り』を維持するため。
「――今まで通り、の必要はあるのか?」
彼はつぶやくように言った。私は内心を読まれたようで、思わず「え?」と声に出した。
「じゃあ、他に何があるの?」
「もっと、別の暮らし方はないのかな、俺たち」
「別のって? ここに落ち着く前みたいに、各地を放浪するの? ハンターやらに追われながら?」
「それは――」
「あなたにも、また、できるわよ。サラみたいな存在が」
私は「ね」とエリオットの顔をのぞきこんだ。彼は目を合わせてくれなかった。
「兄さん」
その時、アーロンの声がした。ルシアとダンスの姿勢をとったまま、こちらに手を振っている。彼らの背後に赤毛の女の子がいて、こちらをチラチラ見ている。アーロンが以前「からかわれた」と言っていた、ルシアと同郷の女の子だ。エリオットと踊りたいということだろう。ルシアは私を確認して、ちょこんと会釈をした。
「あなたも、楽しみなさいよ、せっかくのパーティーなんだあら」
そう言って立ち去る私の背後からエリオットが言う。
「カミラ、またさ、話して、考えよう。みんなで、一緒に」
「そうね」
私は振り返らずに答えた。
この国で、今まで通りこのまま静かに暮らす以外に、カミラが生きて幸せになれるエンディングは思いつけなかった。
――だって、他に吸血鬼の私たちが平穏に暮らせる生き方がある?
また壁の花になる。寄りかかってため息をつくと、横からワイングラスが差し出された。
「どうぞ」とグラスを持つ、そのごつごつした手は、アーティの手だった。
「ありがとう」
お礼を言いながら受け取る。
「貴方は、本当にタイミングが良いわね」
この前と同じ、私が情緒不安定な時に姿を現してくれる。
苦笑すると、彼は困惑したように笑った。
「……タイミング、良いですか?」
「いいえ、ああ、でも普通に話せて良かったわ。連日、差し入れをありがとうね」
彼は毎日あのホットワインを差し入れしてくれていた。顔は直接合わせず、1回はエリオット、3回はコーデリアに託して。今、お祭り特製容器が4つ部屋に並んでいる。
先日森で私が彼を襲いかけて、丁寧に断られた経緯があるので、顔を合わせて普通に話せるか不安だったんだけど、何事もないように接してくれて良かった。
「気に入ってくださってたようなので、気晴らしにと思って。馬鹿の一つ覚えみたいですけれど」
「いいえ、嬉しかったわ」
私は彼をしげしげと見た。いつもの警備の服装と違って、きちんと正装をしている。濃緑の上下に、白いぴらぴらしたスカーフみたいなものを巻いている。このスカーフみたいなの何で巻くんだろうと思ったけど、アーティは体つきががっしりしているので、猛々しさにフェミニンさが加えられ、印象が柔らかくなったようで、なかなか映えていた。
「何ですか」
「素敵ね、衣装」
「父の古いものですけどね。俺はあんまり、こういう礼装は着ないので、自分のは持ってなくて」
私はくすりと笑った。気さくな人柄の、彼の父母を思い浮かべる。彼と彼らとのやりとりが想像できた。『あんたこれ着ていきなさい、お父さんの若いころの』『そうだぞ、父さんの勝負服だ』……みたいな。
アーティは笑いながら「はぁ」とため息をついた。
「警備の方に回るって言ったのに、親父もお袋もじいちゃんもばあちゃんも、団員の仲間もみんな出ろって言うんですよ。困っちゃいますよ」
「せっかく、パーティーに出てきたんだから、こんな壁際にいないで、踊ればいいのに――誰かを誘って」
私はフロアに視線を流した。アーロンとルシア、エリオットと赤毛の子が踊っている。アーロン、あなたルシアと何曲目?
ちらりとアーティを見る。
あれ? ゲームだと、ルシアを見たら≪番≫認定してアプローチしてなかったっけ。
「俺、ダンス下手だし。それに若い子ばかりじゃないですか」
「……あの子は?」
私はルシアを指さす。
「アーロン様と踊っている子ですか? ――とても、可愛らしくて、アーロン様とよくお似合いですね。お二人で踊っていると、絵本の挿絵のようです」
「それだけ?」
私は目を丸くした。ルシアと対面したら、自分から声をかけに行くと思ってたわ。
「どういう意味です?」
「いえ、その、あなたの――お相手として?」
彼は苦笑した。
「彼女、新成人でしょう。妹と同い年の子に、声なんかかけられないですよ」
「妹?」
アーティはほら、と指さした。私がさっき人間観察していた、意中の男の子を自ら誘った黄色のドレスの子だ。よく見れば、アーティと同じ茶色の髪に、焦げ茶の瞳で、顔が似ていた。あんなキャラいたっけ。
「3番目の妹です。今年16歳」
「……人狼族だから、ダンスが下手なわけじゃないのね」
彼の妹はくるくると華麗に踊っている。
人狼族はどちらかというと体育会系というか……、野性的な身体能力に特化していて、ダンスのような細かい芸術的な動きには向いていないイメージがあった。
アーティは面白そうに笑った。
「――カミラ様だってダンス、下手じゃないですか。吸血鬼なのに。意外でしたよ」
吸血鬼は寿命がないためか、時間があるので、芸術や文化に興味を持つ人が多い。あと貴族って言った方が食料になる人間が釣りやすいから、一般的に各地の貴族社会に紛れて生きていることが多い。だから、ダンスなどのその手の社交界の嗜みに造詣が深いことが多い。
個人差があるものね。何でも型にはめるのは、よくないわ。さっき自分が言った言葉がブーメランで返ってくる。
私は恥ずかしくなって、アーティをじろりと見た。
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