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6.元聖女は魔法都市でエルフに会いました。
第141話
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大神殿が壊れてからふた月ほど経ちました。
大司教様と竜は、魔術師ギルドの人たちが連れて行ってしまいました。
いったんマルコフ王国に寄って、それから大司教様はギルド本部がある魔法都市に、竜たちは魔物の飼育と研究をやっているところに連れて行くそうです。
私とステファン、ライガ、ソーニャはそのままキアーラに残って、南端の村で魔物退治のお手伝いをしています。キアーラ国内の神殿での、新しい祈りの体制が整うまでっていうことで、他にもマルコフ王国の冒険者ギルドから、ジャンさんたち冒険者の人たちが派遣されてキアーラに来てます。
そんな魔物退治のお手伝いも今日が最後ということで、ステファンが教会の広場で兵士さんたちを前に最後の説明をしています。
「今まで説明したとおり、魔物というのは、精霊の魔力を偏って取り込んでしまった動物や植物のことです。例えば、野兎が土の精霊の魔力を変に取り込んでしまうと、一角兎になります。大雨や地震なんかの災害で精霊のバランスが崩れると魔物が発生しやすくなります。魔物になると繁殖力が強くなってあっという間に増えますし、また、他の生物を食べることでより強い魔物に変化してしまいます。魔物はとにかく『見つけたら、即対応!』が大事です。ここが一番大事です。魔物は!」
兵士さんたちが、声を揃えて答えます。
「「「見つけたら、即対応!」」」
「こまめに見回り、即対応!」
「「「こまめに見回り、即対応!」」」
……何だか、先生みたいですね。
「……では、これからも魔物退治頑張ってください」
ステファンが一礼すると、
「「「ありがとうございました!」」」」
兵士さんたちも一斉に頭を下げました。
「教師のようではないか、ステファン」
やっぱり、そんな感じですね、って誰?
顔を上げると馬を引いたエイダン様がいました。横にはハンナ様もいます。
「エイダン、王都にいたんじゃねぇのか」
広場の隅で暇そうにしていたライガがエイダン様に駆け寄った。
「お前たちがそろそろ出発だと聞いたのでな。挨拶に来てやったぞ」
エイダン様は笑い声を立てた。横にいるハンナ様もうふふと笑っている。
「ハンナ様……も、お戻りになってたんですね」
「そうなのよ。ようやく、ようやく戻れたわ……」
ハンナ様は涙ぐみながら私に抱きついてきた。
「ありがとぉぉぉ。レイラぁ」
耳元で叫ばないで下さい、と思いつつハンナ様を押すと彼女はパッと離れて、エイダン様が持っていた包みを私に押し付けた。
「そう、これこれ、これをあなたに渡そうと思っていたの」
何だか豪華な袋に入っています。
開けてみると、すごく綺麗な色の青いワンピースが入っていました。
「何ですかこれ! とっても綺麗ですね!」
思わず声が大きくなる。布の肌ざわりがとても良くて、高級感があった。
「キアーラに戻ってから、私の持っていた新品のものを、あなた用にサイズを合わせてみたの。あなたが、マナっていう子に置いて行ったお洋服に合わせたからサイズは合っていると思うけど」
街の洋服屋さんにはなさそうな、ハンナ様が宮中で着てたみたいな、いつも良いなと思っていた感じのドレスです!
私は思わず袋を抱きしめた。
「ありがとうございます!!!」
普段に着るのはもったいないけど、こういう服を着る機会があったらいいな……。
大事に持っておきましょう。
エイダン様は満足そうに頷いてステファンに聞いた。
「お前たちはすぐに魔法都市に向かうのか?」
「いや、マルコフ王国に一度戻ってから出発するよ」
「金は届いているな。不十分ならもっと用意させるが」
移動資金と私の耳の治療費ということで、何日か前エイダン様から金貨の詰まった袋が届いたんです。
「とりあえず足りると思う。助かるよ」
「何、恩返しだ。気にするな」
軽快に笑うエイダン様に、ハンナ様がすかさず相槌を入れる。
「さすがですわ、エイダン様」
「――あら、エイダンにハンナじゃない。来てたの」
そこに現れたのはソーニャとジャンさんだった。
「やあ、お前たち。もうパーティを組んでやれなくてすまないな。僕がいないと仕事も進まないだろう」
ソーニャは微笑むと鋭い声で言った。
「いいえ、騒がしい自信過剰な男がいなくてやりやすいわ。ねぇ、ジャン」
「いや……いや、うーん……」
「まぁ! 相変わらず口の悪い女ね。エイダン様に何て口を、ねぇ、エイダン様」
口ごもるジャンさんに、口に手を当てて「まあ!」という顔のハンナ様。エイダン様は苦笑いしている。
「――――さすがに僕も傷つくんだぞ、ソーニャ。お前は本当に、その口さえ直せば美人なのに勿体ない」
「エイダン様!? 他の女に『美人』だとか言わないでくださいね!」
「余計なお世話よ!」
わいわいしてますね。
何だか楽しそうですね……。私たちがノアくんのことでマルコフ王国の王都に行ってる間パーティー組んでただけなのに……。
そんなことを思いながら見てたら、ソーニャが、急にくるっと思いついたように私たちを振り返った。
「そうだ! あなたたち、魔法都市に行くのよね。お祖父様にお手紙を書いておくから、それを持って行って? 事前に連絡も入れておくけれど。お祖父様の屋敷に泊ればいいわ」
そうでした。ソーニャのお祖父さんは偉い魔法使いなんですよね。
「ありがとう、助かるよ、ソーニャ」
「いいえ、あなたたちの役に立てれば嬉しいわ」
ステファンが笑顔で言うと、ソーニャも微笑んだ。
翌日、私たちはいったんマルコフ王国に戻るため、キアーラを出発した。
大司教様と竜は、魔術師ギルドの人たちが連れて行ってしまいました。
いったんマルコフ王国に寄って、それから大司教様はギルド本部がある魔法都市に、竜たちは魔物の飼育と研究をやっているところに連れて行くそうです。
私とステファン、ライガ、ソーニャはそのままキアーラに残って、南端の村で魔物退治のお手伝いをしています。キアーラ国内の神殿での、新しい祈りの体制が整うまでっていうことで、他にもマルコフ王国の冒険者ギルドから、ジャンさんたち冒険者の人たちが派遣されてキアーラに来てます。
そんな魔物退治のお手伝いも今日が最後ということで、ステファンが教会の広場で兵士さんたちを前に最後の説明をしています。
「今まで説明したとおり、魔物というのは、精霊の魔力を偏って取り込んでしまった動物や植物のことです。例えば、野兎が土の精霊の魔力を変に取り込んでしまうと、一角兎になります。大雨や地震なんかの災害で精霊のバランスが崩れると魔物が発生しやすくなります。魔物になると繁殖力が強くなってあっという間に増えますし、また、他の生物を食べることでより強い魔物に変化してしまいます。魔物はとにかく『見つけたら、即対応!』が大事です。ここが一番大事です。魔物は!」
兵士さんたちが、声を揃えて答えます。
「「「見つけたら、即対応!」」」
「こまめに見回り、即対応!」
「「「こまめに見回り、即対応!」」」
……何だか、先生みたいですね。
「……では、これからも魔物退治頑張ってください」
ステファンが一礼すると、
「「「ありがとうございました!」」」」
兵士さんたちも一斉に頭を下げました。
「教師のようではないか、ステファン」
やっぱり、そんな感じですね、って誰?
顔を上げると馬を引いたエイダン様がいました。横にはハンナ様もいます。
「エイダン、王都にいたんじゃねぇのか」
広場の隅で暇そうにしていたライガがエイダン様に駆け寄った。
「お前たちがそろそろ出発だと聞いたのでな。挨拶に来てやったぞ」
エイダン様は笑い声を立てた。横にいるハンナ様もうふふと笑っている。
「ハンナ様……も、お戻りになってたんですね」
「そうなのよ。ようやく、ようやく戻れたわ……」
ハンナ様は涙ぐみながら私に抱きついてきた。
「ありがとぉぉぉ。レイラぁ」
耳元で叫ばないで下さい、と思いつつハンナ様を押すと彼女はパッと離れて、エイダン様が持っていた包みを私に押し付けた。
「そう、これこれ、これをあなたに渡そうと思っていたの」
何だか豪華な袋に入っています。
開けてみると、すごく綺麗な色の青いワンピースが入っていました。
「何ですかこれ! とっても綺麗ですね!」
思わず声が大きくなる。布の肌ざわりがとても良くて、高級感があった。
「キアーラに戻ってから、私の持っていた新品のものを、あなた用にサイズを合わせてみたの。あなたが、マナっていう子に置いて行ったお洋服に合わせたからサイズは合っていると思うけど」
街の洋服屋さんにはなさそうな、ハンナ様が宮中で着てたみたいな、いつも良いなと思っていた感じのドレスです!
私は思わず袋を抱きしめた。
「ありがとうございます!!!」
普段に着るのはもったいないけど、こういう服を着る機会があったらいいな……。
大事に持っておきましょう。
エイダン様は満足そうに頷いてステファンに聞いた。
「お前たちはすぐに魔法都市に向かうのか?」
「いや、マルコフ王国に一度戻ってから出発するよ」
「金は届いているな。不十分ならもっと用意させるが」
移動資金と私の耳の治療費ということで、何日か前エイダン様から金貨の詰まった袋が届いたんです。
「とりあえず足りると思う。助かるよ」
「何、恩返しだ。気にするな」
軽快に笑うエイダン様に、ハンナ様がすかさず相槌を入れる。
「さすがですわ、エイダン様」
「――あら、エイダンにハンナじゃない。来てたの」
そこに現れたのはソーニャとジャンさんだった。
「やあ、お前たち。もうパーティを組んでやれなくてすまないな。僕がいないと仕事も進まないだろう」
ソーニャは微笑むと鋭い声で言った。
「いいえ、騒がしい自信過剰な男がいなくてやりやすいわ。ねぇ、ジャン」
「いや……いや、うーん……」
「まぁ! 相変わらず口の悪い女ね。エイダン様に何て口を、ねぇ、エイダン様」
口ごもるジャンさんに、口に手を当てて「まあ!」という顔のハンナ様。エイダン様は苦笑いしている。
「――――さすがに僕も傷つくんだぞ、ソーニャ。お前は本当に、その口さえ直せば美人なのに勿体ない」
「エイダン様!? 他の女に『美人』だとか言わないでくださいね!」
「余計なお世話よ!」
わいわいしてますね。
何だか楽しそうですね……。私たちがノアくんのことでマルコフ王国の王都に行ってる間パーティー組んでただけなのに……。
そんなことを思いながら見てたら、ソーニャが、急にくるっと思いついたように私たちを振り返った。
「そうだ! あなたたち、魔法都市に行くのよね。お祖父様にお手紙を書いておくから、それを持って行って? 事前に連絡も入れておくけれど。お祖父様の屋敷に泊ればいいわ」
そうでした。ソーニャのお祖父さんは偉い魔法使いなんですよね。
「ありがとう、助かるよ、ソーニャ」
「いいえ、あなたたちの役に立てれば嬉しいわ」
ステファンが笑顔で言うと、ソーニャも微笑んだ。
翌日、私たちはいったんマルコフ王国に戻るため、キアーラを出発した。
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