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6.元聖女は魔法都市でエルフに会いました。
第154話
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私はオリヴァーさんに案内してもらって、またあの迷路みたいに研究所を進んだ奥にあるエドラヒルさんの庭園に行った。
「じゃあ、よろしく頼むよ」
オリヴァーさんは庭園に着くと、私にそう言って手を振って帰って行ってしまった。
1人でエドラヒルさんに話しかけるの緊張するなぁ。
私は庭園を見回した。
色んな植物が植わっている花壇の向こうで、テーブルに座っているエドラヒルさんが見えた。机の上にはお皿が置いてあって、山盛りの野菜……? というか、花や葉っぱが乗っている。エドラさんはそれをフォークで刺して、むしゃむしゃと食べていた。
「こんにちは……」
私は恐る恐る声をかけた。
エドラヒルさんは急に声をかけられてびっくりしたのか、カランっとフォークを机に落としてしまった。
「……! 何だ、お前か!」
「あ、急に声かけてごめんなさい!」
謝ると、むすっとした顔で、エドラヒルさんは「何か用か」と呟いた。
「いえ……、今、お食事中でしたか? すいません……」
私はお皿に乗った花を見た。
……うん、野菜っていうか、お花。
「お花を食べるんですね……」
思わず呟くと、エドラヒルさんはため息をついた。
「エルフは普通、人間が食べるようなものは食べない。特に肉はな」
「そうなんですか?」
驚いて聞き返してしまった。エドラヒルさんは、少し考え込んでから、私を見た。
思わず背筋が伸びる。
「――お前は、何を食べるんだ? 人と一緒か?」
「同じ、ですね。お肉好きです」
「だろうな。――肉を食べている者の、気配がする」
「わかるんですか?」
「生き物を殺して喰らう者には独特の気配がある。――お前は、あまり気配がわからないようだな」
私は首を捻った。気配って、何でしょう……。
「耳がないからだろうな……」
エドラさんは同情するようにそう言うと、反対の椅子の上を見た。
そこには、大きな瓶の中で薄いオレンジ色の液体に浸かった、私の『耳』があった。
私は思わず目を見開く。それは、もう干からびたミイラみたいなものじゃなくて、エドラヒルさんの髪の毛の間から外に飛び出してる耳みたいな、尖った長いエルフの耳になっていた。
「だいたい生き返ったよ。なかなか戻すのが大変だった。魔力を使ったら久しぶりに腹が減ってしまった」
エドラヒルさんは机に座り直すと、お皿の上のお花を食べ始めた。
「ありがとうございます……」
「2・3日中には、治療院で手術して、繋げてもらえるだろう」
「良かったです! 耳があると――、その気配というのがわかるようになるんでしょうか?」
「耳がなかったことはないからわからんが、エルフは最初に音で精霊を感じる。その精霊の動く音——のようなものが、私の言う気配、のようなものだ。魔族も元は同じ種族だろうし、あるとないとじゃ違うだろう」
エドラヒルさんはそこまで言ってから、神妙な顔をした。
「――お前の周りは、人間ばかりだったのか?」
「はい。つい数月前までは、自分が人間だと思ってました。そのあと、小人と人間のハーフの疑いが出てきたのですが、魔族の説が有力になり、今は魔族とエルフのハーフという結論に落ち着きましたね」
エドラヒルさんは突然くっくと笑い声を漏らした。
「そんなことがあるんだな。聞いたことがない」
この人笑うんですね……。
何だか少し空気が和やかになった気がしたので、私は気になっていたことを聞いた。
「――あの、エドラヒルさんは何歳なんですか?」
エドラヒルさんは首を捻った。
「――わからない」
「じゃあ、よろしく頼むよ」
オリヴァーさんは庭園に着くと、私にそう言って手を振って帰って行ってしまった。
1人でエドラヒルさんに話しかけるの緊張するなぁ。
私は庭園を見回した。
色んな植物が植わっている花壇の向こうで、テーブルに座っているエドラヒルさんが見えた。机の上にはお皿が置いてあって、山盛りの野菜……? というか、花や葉っぱが乗っている。エドラさんはそれをフォークで刺して、むしゃむしゃと食べていた。
「こんにちは……」
私は恐る恐る声をかけた。
エドラヒルさんは急に声をかけられてびっくりしたのか、カランっとフォークを机に落としてしまった。
「……! 何だ、お前か!」
「あ、急に声かけてごめんなさい!」
謝ると、むすっとした顔で、エドラヒルさんは「何か用か」と呟いた。
「いえ……、今、お食事中でしたか? すいません……」
私はお皿に乗った花を見た。
……うん、野菜っていうか、お花。
「お花を食べるんですね……」
思わず呟くと、エドラヒルさんはため息をついた。
「エルフは普通、人間が食べるようなものは食べない。特に肉はな」
「そうなんですか?」
驚いて聞き返してしまった。エドラヒルさんは、少し考え込んでから、私を見た。
思わず背筋が伸びる。
「――お前は、何を食べるんだ? 人と一緒か?」
「同じ、ですね。お肉好きです」
「だろうな。――肉を食べている者の、気配がする」
「わかるんですか?」
「生き物を殺して喰らう者には独特の気配がある。――お前は、あまり気配がわからないようだな」
私は首を捻った。気配って、何でしょう……。
「耳がないからだろうな……」
エドラさんは同情するようにそう言うと、反対の椅子の上を見た。
そこには、大きな瓶の中で薄いオレンジ色の液体に浸かった、私の『耳』があった。
私は思わず目を見開く。それは、もう干からびたミイラみたいなものじゃなくて、エドラヒルさんの髪の毛の間から外に飛び出してる耳みたいな、尖った長いエルフの耳になっていた。
「だいたい生き返ったよ。なかなか戻すのが大変だった。魔力を使ったら久しぶりに腹が減ってしまった」
エドラヒルさんは机に座り直すと、お皿の上のお花を食べ始めた。
「ありがとうございます……」
「2・3日中には、治療院で手術して、繋げてもらえるだろう」
「良かったです! 耳があると――、その気配というのがわかるようになるんでしょうか?」
「耳がなかったことはないからわからんが、エルフは最初に音で精霊を感じる。その精霊の動く音——のようなものが、私の言う気配、のようなものだ。魔族も元は同じ種族だろうし、あるとないとじゃ違うだろう」
エドラヒルさんはそこまで言ってから、神妙な顔をした。
「――お前の周りは、人間ばかりだったのか?」
「はい。つい数月前までは、自分が人間だと思ってました。そのあと、小人と人間のハーフの疑いが出てきたのですが、魔族の説が有力になり、今は魔族とエルフのハーフという結論に落ち着きましたね」
エドラヒルさんは突然くっくと笑い声を漏らした。
「そんなことがあるんだな。聞いたことがない」
この人笑うんですね……。
何だか少し空気が和やかになった気がしたので、私は気になっていたことを聞いた。
「――あの、エドラヒルさんは何歳なんですか?」
エドラヒルさんは首を捻った。
「――わからない」
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