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8.元聖女はエルフの森に着きました。
第205話
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私たちはリンドールさんが準備できるまで、木の家が立ち並ぶ場所の隅っこで休むことにした。
周囲を見回してため息を吐く。周辺一帯に綺麗なお花が咲いているので、ピクニックしてるみたいですね……。そんな気分になっている場合ではないんですけど。
「……エルフってこんなのばっか食っててよく生きてるよな……、出してもらって、なんだけどよ……」
ライガが食事用に差し入れしてもらったお花や葉っぱを口でもしゃもしゃしながらぼやく。エドラさんが同じように食べてるの見ましたけど、特に塩胡椒なんかの味付けなしに、そのまま食べるんですよね。お花……。
「でも……、一つ一つ味が違うね。一気に口に入れないで、味わうといいかも」
ステファンが一つ一つ分けて口に入れて食べてみているので、私も真似してみる。
うーん、確かに、甘かったり、ぴりっとしたり、それぞれに味がありますね。
ライガは「そうか?」と顔をしかめている。
「ずっとこればかり食べているのだから、身体が慣れている。逆に肉は受け付けないから、私はお前たちが羨ましいけどな」
エドラさんはため息交じりにそう言いながら、花を口に運んだ。
「でも……、エルフの人たちが長寿で、みんな若くて綺麗なのは、この食事のおかげでもあるでしょう? 全部が魔法草みたいに、魔力が豊富だし……魔法使いには嬉しいわよね」
「この森は精霊力が強いからな。同じような育て方を、研究所で再現しようとしても、なかなかできなかった」
フィオナさんとエドラさんが魔法使い同士の話をしている。
私は前にエドラさんと話した事を思い出して聞いた。
「エドラさん、『外で暮らしてたら老けた』って言ってましたよね……」
「そうだ。ここの同年代の連中よりは老けたな。エルフはこの里の草花を食べることで体を精霊に近づけているから……、外での食事は影響があると思う」
「私もお肉たくさん食べてたら老けるでしょうか……」
そう呟いたら、フィオナさんが難しい顔をした。
「老けたいの……? せっかく、ずっと若いのに……」
「老けたいというか……、年相応になりたいんです」
私はため息を吐いた。
「年相応、がわからないですけどね……」
ずっと16歳だと思っていたので、人間の16歳くらいの見た目にはなりたいですけど……。今の見た目で年相応、なんでしょうか。
「大人っぽくなりたいのね。それならわかるわ。あなたくらいの年の時には、私もそう思っていたかも」
私は、たぶんフィオナさんより実年齢で言ったら上の可能性が高い気がするんですけれど。——そんな話をしていると、
「アイグノール様を封じる準備ができた。……大樹の森へ案内する」
リンドールさんが私たちを呼びに来ました。。
「族長を封じるというのは、空間魔法でか?」
エドラさんの問いかけに、リンドールさんは頷いた。
「そうだ。エゼルたちがアイグノール様を空間魔法で隔離する。その間に我々はマイグリンを探す」
「……そんなことをして、大丈夫なんですか?」
改めて心配になってしまった。とっても有難いけれど、私のために族長さんにそんなことをして、リンドールさんたちが後で困ったりはしないでしょうか。
「気にすることではない。――アイグノール様は先ほど荒ぶられたことで、しばらく休息が必要なはずだ……その間に気づかれないように行うつもりだ」
リンドールさんは「ついてきてくれ」と私たちを振り返った。
***
もう一度、族長さんに会いに行った道をたどって行くと、族長さんがいた、山みたいに大きい木のところで、エゼルミアさんたちエルフの人たちが輪になってその木を取り囲んでいるのが見えた。
みんな何か口で唱えていて、大きい木を薄い靄みたいなものが包み込んでいます。
「……これが、空間魔法ですか?」
聞くと、リンドールさんは頷きました。
「そうだ。里を普段隠しているもとの同じだ。アイグノール様の周りを別空間に隔離している」
「……空間魔法を使っているところなんて初めて見るわ」
フィオナさんが感心したように呟きます。
「フィオナさんは使えないんですか?」
「無理よ。私が使えるのは精霊魔法までで……、空間魔法っていうのは、もっと高度な古代魔法だから……」
とんでもない、という風な口調ですね。
魔法にも種類があるんですね……。
それにしても……、
「こんなにたくさんのエルフの人たちが協力してくれているんですか……」
幹を取り囲んでいるエルフの人たちは30人以上はいそうだった。
「近頃のアイグノール様の方針には賛成でない者が多数だったんだ。魔族討伐部隊の再結成について……私たちも、どうにかアイグノール様のご意見を変えられないかと考えていたところではあった……。――時間には限りがある。先を急ごう」
急ぎ足のリンドールさんに続いて、私たちもそそくさと隔離された族長さんの横を通り抜けてその奥へ進みました。
奥は……、族長さんの木ほどではないですが、同じくらい大きい木が延々と先まで立ち並ぶ、深い森になっていました。葉っぱがびっしりと茂っているので、光もあまり差し込んでいません。
「ここが大樹の森。この中のどこかにマイグリンがいるはずだ」
リンドールさんの言葉に私は「お父さん」と呟いて木々を見回した。
周囲を見回してため息を吐く。周辺一帯に綺麗なお花が咲いているので、ピクニックしてるみたいですね……。そんな気分になっている場合ではないんですけど。
「……エルフってこんなのばっか食っててよく生きてるよな……、出してもらって、なんだけどよ……」
ライガが食事用に差し入れしてもらったお花や葉っぱを口でもしゃもしゃしながらぼやく。エドラさんが同じように食べてるの見ましたけど、特に塩胡椒なんかの味付けなしに、そのまま食べるんですよね。お花……。
「でも……、一つ一つ味が違うね。一気に口に入れないで、味わうといいかも」
ステファンが一つ一つ分けて口に入れて食べてみているので、私も真似してみる。
うーん、確かに、甘かったり、ぴりっとしたり、それぞれに味がありますね。
ライガは「そうか?」と顔をしかめている。
「ずっとこればかり食べているのだから、身体が慣れている。逆に肉は受け付けないから、私はお前たちが羨ましいけどな」
エドラさんはため息交じりにそう言いながら、花を口に運んだ。
「でも……、エルフの人たちが長寿で、みんな若くて綺麗なのは、この食事のおかげでもあるでしょう? 全部が魔法草みたいに、魔力が豊富だし……魔法使いには嬉しいわよね」
「この森は精霊力が強いからな。同じような育て方を、研究所で再現しようとしても、なかなかできなかった」
フィオナさんとエドラさんが魔法使い同士の話をしている。
私は前にエドラさんと話した事を思い出して聞いた。
「エドラさん、『外で暮らしてたら老けた』って言ってましたよね……」
「そうだ。ここの同年代の連中よりは老けたな。エルフはこの里の草花を食べることで体を精霊に近づけているから……、外での食事は影響があると思う」
「私もお肉たくさん食べてたら老けるでしょうか……」
そう呟いたら、フィオナさんが難しい顔をした。
「老けたいの……? せっかく、ずっと若いのに……」
「老けたいというか……、年相応になりたいんです」
私はため息を吐いた。
「年相応、がわからないですけどね……」
ずっと16歳だと思っていたので、人間の16歳くらいの見た目にはなりたいですけど……。今の見た目で年相応、なんでしょうか。
「大人っぽくなりたいのね。それならわかるわ。あなたくらいの年の時には、私もそう思っていたかも」
私は、たぶんフィオナさんより実年齢で言ったら上の可能性が高い気がするんですけれど。——そんな話をしていると、
「アイグノール様を封じる準備ができた。……大樹の森へ案内する」
リンドールさんが私たちを呼びに来ました。。
「族長を封じるというのは、空間魔法でか?」
エドラさんの問いかけに、リンドールさんは頷いた。
「そうだ。エゼルたちがアイグノール様を空間魔法で隔離する。その間に我々はマイグリンを探す」
「……そんなことをして、大丈夫なんですか?」
改めて心配になってしまった。とっても有難いけれど、私のために族長さんにそんなことをして、リンドールさんたちが後で困ったりはしないでしょうか。
「気にすることではない。――アイグノール様は先ほど荒ぶられたことで、しばらく休息が必要なはずだ……その間に気づかれないように行うつもりだ」
リンドールさんは「ついてきてくれ」と私たちを振り返った。
***
もう一度、族長さんに会いに行った道をたどって行くと、族長さんがいた、山みたいに大きい木のところで、エゼルミアさんたちエルフの人たちが輪になってその木を取り囲んでいるのが見えた。
みんな何か口で唱えていて、大きい木を薄い靄みたいなものが包み込んでいます。
「……これが、空間魔法ですか?」
聞くと、リンドールさんは頷きました。
「そうだ。里を普段隠しているもとの同じだ。アイグノール様の周りを別空間に隔離している」
「……空間魔法を使っているところなんて初めて見るわ」
フィオナさんが感心したように呟きます。
「フィオナさんは使えないんですか?」
「無理よ。私が使えるのは精霊魔法までで……、空間魔法っていうのは、もっと高度な古代魔法だから……」
とんでもない、という風な口調ですね。
魔法にも種類があるんですね……。
それにしても……、
「こんなにたくさんのエルフの人たちが協力してくれているんですか……」
幹を取り囲んでいるエルフの人たちは30人以上はいそうだった。
「近頃のアイグノール様の方針には賛成でない者が多数だったんだ。魔族討伐部隊の再結成について……私たちも、どうにかアイグノール様のご意見を変えられないかと考えていたところではあった……。――時間には限りがある。先を急ごう」
急ぎ足のリンドールさんに続いて、私たちもそそくさと隔離された族長さんの横を通り抜けてその奥へ進みました。
奥は……、族長さんの木ほどではないですが、同じくらい大きい木が延々と先まで立ち並ぶ、深い森になっていました。葉っぱがびっしりと茂っているので、光もあまり差し込んでいません。
「ここが大樹の森。この中のどこかにマイグリンがいるはずだ」
リンドールさんの言葉に私は「お父さん」と呟いて木々を見回した。
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